少子化の影響で子供・若者の数は確実に減少している。教育産業のマーケティングとしてみるなら、見込み客は確実に減少傾向で推移している。その一方で職業技術の専門化とともに教育の重要さはますます高まっており、特にグローバリゼーションの中英会話スクールなどの需要も拡大すると見込まれる。
トータルに見れば教育関連事業の市場は拡大傾向で推移して行くであろう。市場規模は拡大傾向である中で新規参入事業者の数も増大し競争激化の中、倒産に至る事業者の数も増えているようだ。
10日、帝国データバンクが2018年1~8月までの教育関連業者の倒産動向調査の結果を公表している。1月から8月のキュ行く関連事業の倒産件数は65件で前年同期の57件を上回っている。このままのペースで推移すると100件前後には達すると見込まれ、リーマンショック後の2009年の93件を超えて過去最高となるペースである。
負債総額は8月末時点で19億2300万円、20億円台に留まるとみられ、このままのペースで行けば負債総額については過去10年で最少となる見込みだ。ここからも2015年以降の倒産増加傾向は新規参入の小規模事業所を中心のものである傾向がうかがえる。
業態別に見ると、8月末時点では「家庭教師・各種スクール」が25件で最多となっており、次いで「学習塾」が24件、「学校・予備校」の9件という順になっている。負債規模別では、8月時点で「1000万-5000万円未満の小規模のものが59件と圧倒的に多く、全体の90.8%を占めている。小規模事業所倒産はこの数年急増しており、市場拡大の中で淘汰競争激化の現況がうかがえる。5億円を超える大型倒産は発生していない。
教育関連業者の倒産は、2015年以降3年連続で増加しており、2018年通年では4年連続の増加、過去最多を更新するペースだ。レポートでは「背景には学習塾を中心として少子化の影響に伴う生徒数の減少や、一般向けの各種スクールでは限られたパイの奪い合いによる競争の激化があり、小規模事業者を中心に淘汰が進んでいる」とみており、教師やインストラクターの人手不足の中「規模のメリットを生かせる業者に有利な状況が続くことで、今後はより業者間の勝ち負けが鮮明化してくることが予想される」と分析している。(編集担当:久保田雄城)