燃費表示変更へ 走行実態を反映へ

2018年09月25日 06:35

画・燃費表示変更へ 走行実体を反映へ

これまで日本国内では燃費表示の方法としてJC08モードが採用されてきたが、10月からWLTCモードという燃費測定方法に代わる

 自動車に乗るドライバーであれば、誰しも車の燃費は気になるものだ。これまで日本国内では燃費表示の方法としてJC08モードが採用されてきたが、10月からWLTCモードという燃費測定方法に取って代わることになる。実はWLTCモードになることは消費者にとっては見逃せない変更なのだ。

 これまで採用されてきたJC08モード、いわゆるカタログ燃費は実際の路上での燃費と比較してかなり性能が高いことが一般的であった。例えばトヨタ自動車<7203>の最新のプリウスのJC08モードによる燃費性能は40キロメートルを超え、他の軽自動車であっても30キロメートルに達するなど高い燃費性能を示している。しかし実際に路上で車を走らせてみると、カタログ燃費の半分程度しか燃費性能が発揮されないということも珍しくはない。これはカタログ燃費が理想的な路面状況、理想的なドライバー能力、理想的な運転状況といった好条件で測定されたものだからだ。実際には雨が降れば路面状況は悪化し、ドライバーの能力も人それぞれだ。街中を走れば燃費は悪くなり、渋滞に巻き込まれれば実際の燃費性能を発揮できるはずはない。このためJC08モードの燃費性能は走行実態を正確に反映していないのではという声は根強かった。

 それに対してWLTCモードはエンジンが温まる前の走行状態、アイドリング時間比率の減少、ドライバー以外に荷物や他の乗員を乗せている重量などを考慮したうえで燃費性能を測定することになっている。しかも市街地モード、郊外モード、高速道路モードと三つのモードで構成されており、これらを総合したものがWLTCモードとして表示される。つまり市街地で走ることが多いドライバーは市街地モードを参考にでき、頻繁に遠出をするドライバーは高速道路モードを新車選びの基準にできるということなのだ。もちろんWLTCモードの方がJC08モードよりも走行の実態を反映したものであり、より正確なその車の燃費性能を知る手掛かりになるのだ。今後はカタログ燃費と購入後の燃費性能のギャップにがっかりすることは少なくなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)