第19回目を迎え、「つながる社会、共創する未来」を掲げる「CEATEC 2018」が千葉・幕張メッセを会場に10月16日から開催された。イベントは、当初の国際家電見本市という立ち位置から大きく変貌し、近年では「Society 5.0」の実現を標榜する。
その「Society 5.0」の実現に相応しい新たな価値と市場の創造・発展、そして関連産業の活性化に寄与する製品に対して毎回「CEATEC AWARD」の授与を実施してきた。今回、「CEATEC AWARD 2018」では、同アワード審査委員会の審査の結果、総務大臣賞に京セラの小型アンテナ「Amcenna(アムセナ)」が選ばれた。
京セラが開発した小型アンテナ「Amcenna」は、金属や水の上でも通信特性は低下しない製品で、人工磁気壁(AMC)の小型化とAMCそのものにアンテナ機能を持たせた独立した小型薄型アンテナだ。その結果、従来難しいとされた機械設備や自動車ボディモノコックなどの金属部部、ウェアラブル端末などに設置が可能となった。受賞理由は、モノをインターネットに繋ぐIoT分野における通信デバイスとして大きな期待が寄せられた製品だということ。
京セラの独自技術によって開発した、設置場所を選ばない、大幅な小型・薄型化を図ったアンテナのサイズは、縦×横×高さ7.0×13.6×1.9mmと極めて小さい。これは、AMCを用いた従来型のアンテナ比で、面積が60分の1、厚さは2分の1となった。
総務大臣賞の授与は、CEATEC開催前日に都内のホテルで開催された「CEATEC Japan 2018 オープニングレセプション」で行なわれ、石田真敏総務大臣が賞状と盾を京セラの谷本秀夫社長に手渡した。(編集担当:吉田恒)