積水ハウスグループの施工会社である積和建設18社は、戸建住宅「積和の木の家」の事業強化・拡大の一環として、積和建設グループでは初めての全国統一新商品となる「PARTAGE(パルタージュ)」を11月1日(木)より発売することを発表した。
積水ハウスの仲井嘉浩社長は、3月に開催された2018年度経営計画説明会で中期経営計画の進捗や今後の経営方針について発表する中、今年度を「戸建て復活の年」と位置付け、基本戦略は積水ハウスの中高級路線にこだわり、そこを強化するという方針。これと並行して、積和建設が提供する一次取得者層向けの「積和の木の家」も強化することで、2ブランド戦略を推し進めることを明言しているが、「パルタージュ」はそれを具現化したものとなる。
国内の住宅市場は、積水ハウスに代表される高級注文住宅のゾーンを先頭に、大手ハウスメーカーがひしめき、ボリュームゾーンに地場の木造工務店や、フランチャイズの業者、一部広域で住宅を手掛ける「パワービルダー」が凌ぎを削っている。戸建最大手の積水ハウスの2017年度の戸建住宅一棟単価は3,807万円。新設住宅着工戸数におけるマーケットシェアは約5%だが、今後の世帯動向などを考慮して、積和建設の力を活かして戸建のボリュームゾーンのシェア開拓を新たに狙う考えだ。
「パルタージュ」の主なターゲットは30~40代の共働き子育て世帯だ。家事を効率よくこなせる機能と家族の団らんや趣味を楽しめる空間をコンパクトに集約し、ターゲット世帯の暮らしのニーズに即した住宅を提案している。
積和建設ではこれまで、全国18社が別々に資材を仕入れ、建設、販売を行っていた。今回、「パルタージュ」を全国統一商品とすることで、この物資の調達や物流を一本化。コストパフォーマンスを高めることに成功した。
「パルタージュ」は平均単価が2000万円台。坪単価で55万円程度と、初めて住宅を購入する一次取得者層が検討しやすい価格設定を実現。新築トップの実績を持つ積水ハウスの施工を担ってきた積和建設の強みは、施工品質の高さだ。躯体はもちろん、モダンで優れた耐久性を持つガルバリウム鋼板の屋根や外壁、樹脂サッシ+遮熱断熱複層ガラス、国産ヒノキ材の木製玄関ドアなどグレード感の高い部材を標準仕様に設定。20プランを中心に機能性と意匠性に優れた住宅を提案する。
今年は地震や台風などの天災が相次いだ。価格もさることながら、今後は益々、住宅の品質が問われるようになるだろう。そんな中、高い施工品質で提供され、コストパフォーマンスの高い「パルタージュ」は注目を集めそうだ。(編集担当:藤原伊織)