政府、県民投票待たず辺野古沿岸に土砂投入方針

2018年12月04日 07:25

 政府は沖縄県民の民意にかかわりなく、抑止力を維持したうえでの普天間基地返還には「名護市辺野古への代替基地建設が唯一の解決策」との方針から、建設に向け辺野古沿岸の埋め立てへ土砂投入作業に14日にもかかる。

 岩屋毅防衛大臣が方針を示した。岩屋大臣は「土砂投入作業開始予定日は12月14日と沖縄県に通知した。14日ごろには埋め立てを開始できる状況になった」とした。

 地元新聞の沖縄タイムスは電子版で同日「政府が土砂投入を計画しているのは護岸で囲われた「埋め立て区域」(の一部)約7ヘクタール。埋め立て区域全体160ヘクタールの約4%。必要な土砂の量は131万6500立方メートル、10トントラック22万台分に相当する」と紹介している。

 また、建設に反対する地元住民らの様子について「県民投票の前に土砂を投入し、諦めさせようとしていが、これくらいでは屈しない、などと怒りや抗議の声が上がった」と報じた。

 辺野古沖への埋め立て、基地建設の賛否を問う県民投票を来年2月に控え、その結果を待たずに着々建設準備を進める政府と、これに反対する沖縄県との軋轢は深まるばかり。政府は基地が沖縄にあることの地理的な重要性を丁寧に説明し、建設に少しでも理解を得て進めることが大事だ。そのうえで負担軽減策を示し、実現していくことが求められる。(編集担当:森高龍二)