医療・介護の業界に強みを持つ求人サイト「コメディカルドットコム」を運営しているセカンドラボが、看護師と介護士を対象にアンケートを実施。患者・利用者からのハラスメントを受けたと答えた職員は8割となった。
医療や介護の現場で働く職員達が日々大きなストレスを抱えているだろう事は想像に難くない。看護にしても介護にしても、人の命や健康を預かる仕事である事は同様である。重大な責任が伴う上に患者とのコミュニケーションも必要とされるため、他者と真摯に向き合える人でなければたとえ資格を持っていたとしても長く勤める事は難しい。
しかしこのような医療や介護の現場では今いくつもの問題が起きている。慢性的な人手不足や、それによって激務を強いられる職員の深刻な労働状況など、外からも見て取れるような諸問題は数多くある。そしてさらに内側で働く職員達が人知れず抱えているストレスも多く、快適な労働環境とは言い難い状況を作り出してしまう原因にもなっている。
2018年9月に看護師と介護士を対象とした実態調査を行ったのは、医療と介護の業界に強みを持つ求人サイト「コメディカルドットコム」を運営しているセカンドラボである。医療患者や介護サービス利用者からハラスメントを受けた事があるか否かについて職員にアンケートを取った結果、看護師と介護士のそれぞれ8割があると回答した。受けた事のあるハラスメントの内容については、セクハラが双方とも6割以上にのぼっている。暴力に関しては看護師が約6割、介護士の場合は約7割もの職員があると答えた。
病院の患者や介護サービス利用者には当然ながら様々な人がいる。中には精神疾患や認知症を患っている相手もいるため、職員達の中にも仕方のない事として理解を示し、患者の行動を受け止めようとしている人は多い。だがたとえ頭では理解できたとしても、実際にハラスメントを受ければ精神的身体的なダメージを受ける事はなかなか避けられないはずだ。実際に看護師の約8割、介護士の約7割については、患者や利用者から受けるハラスメントに対してストレスを抱えていると答えた。
看護師にも介護士にも快適な労働環境を求める権利がある。看護職や介護職専門の転職サービスが少なくはない現状は、今働いている職場に対して多くの看護師や介護士達が不満を抱いている証拠かもしれない。しかし仮に職場を変えても根本的な問題が解決していなければ意味がない。一人の職員が抱える負担を少しでも軽くするためには、人手不足が解消されるなどなんらかの改善がなければ難しいと言えるだろう。(編集担当:久保田雄城)