業務のIT化や働き改革への取り組みによって、職場の仕事の仕方もより合理的になってきているのではないだろうか。日本には日本文化固有の商慣行や労務慣行があるが、グローバリゼーションの中、世界のプラットフォームに合わせるためにもこうした日本固有の慣行も見直す必要があるかもしれない。
年末年始、取引先に挨拶まわりに行くのも日本固有の慣行である。近年ではこの年末年始の挨拶まわりに疑問を呈するものも増えている。たしかに挨拶まわりは業務として業務時間中に行われるのだから労働生産性を低下させていることには間違いはない。
人材サービス業のランスタッドが20~69歳までの企業や団体に勤務する勤労者を対象に「年末年始の挨拶まわりに関する調査」を実施し、その集計結果を17日に公表した。
集計結果によれば、「年末年始の挨拶まわり」の必要性について、「大いに必要」と答えた者の割合は3.6%、「やや必要」が18.4%で両者を合わせると「必要」と答えた者の割合は22.1になる。一方、「あまり必要でない」は22.9%、「全く必要でない」が19.7%で両者を合わせると42.6%の者が「必要でないと」答えている。全体としては「年末年始の挨拶まわり」については否定派の方が多そうだ。
否定的な見方をする理由について見ると、「挨拶に行く側」では「他の業務に使える時間が限られてしまう」が27.5%と断トツで多く、「挨拶を受ける側」では「訪問者の対応のために時間が取られてしまう」が32.0%で突出して多くなっている。「行く側」も「受ける側」もともに余計な時間を取られてしまうと感じているようだ。
実際に挨拶まわりに行く頻度について見ると、業種別では営業職が41.0%と突出して高くなっている。年代別では20代が27.2%と最も多くなっている。挨拶まわりへの必要性への意識を年代別に見ると20代が27.8%と最も多く、挨拶まわりへの負担感を感じながらもその必要性についても強く感じているようだ。業種別に見ると、やはり「営業職」が42.9%と突出して高くなっており、実際に挨拶まわりに行く頻度が高いものほど必要性を強く感じているという結果になった。
ランドスタッフRRI所長の中山悟朗氏は「費用対効果を最大化するため、案件の重要度、目的、費用を分析し、手間をかけるべきところ、簡素化できるところを戦略的に使い分けることで、顧客との関係性はよりよいものになる」とコメントしている。(編集担当:久保田雄城)