2019年用の年賀はがき当初発行枚数は、24億21万2,000枚であったと日本郵政株式会社が発表した。18年用の当初発行枚数については25億8,600万8,000枚であり、前年と比べて7.2%の低下となっている。19年は元号が新しく変わる年でもある。新元号のスタートは19年5月からであるため今回が平成最後の年賀状となるが、年賀状を出す人の数は年々減少傾向にある事が窺える。
年賀状に対する個人の意欲が低下している事に加え、19年分からは年賀はがきが10円の値上げとなった事も原因の一つと言えるだろう。通常のはがきは17年6月に52円から62円へと値上げされていたが、年賀はがきについては52円のまま据え置かれていた。しかし分かりにくいなどとの批判が相次いだため結局は62円で統一され、この事が少なからず影響したとも考えられる。
年賀はがきの発行枚数がピークだったのは03年の事である。当時の発行枚数は44億枚を大きく上回っていた。そこから比べると現在は半分近くにまで落ち込んでいる事が分かる。
メモリアルアートの大野屋が10代以上の男女3,473人を対象として行った調査によると、年賀状を出さないと答えた人は39%にも上っている。それと同時に世代によって年賀状に対する意識にも差が生じている事が判明した。新年のあいさつとして年賀状という手段を重視している人は最も多く、調査対象のうち43%を占めている。しかし年賀状を重視する人の多くは50代以上の世代であり、反対に若い人ほどスマートフォン等のメッセージアプリを活用していると回答した。
スマートフォンやインターネットが普及していなかった時代には、新年のあいさつを行う手段として年賀状が欠かせなかった。しかし便利な連絡ツールを誰もが手にしている現代においては、手間もお金もかける事なく新年のメッセージを手軽に送信する事ができる。普段からSNS等を通じて頻繁に連絡を取り合っている相手でも、その人の電話番号や住所までは知らないというケースも少なくはない。人との付き合い方が変化し、はがき以外で新年のあいさつが手軽にできるようになった現代では、今後も更に年賀状離れが進んでいくと想像できるだろう。(編集担当:久保田雄城)