19年は天皇、皇室について国民が関心持つ年

2019年01月02日 12:47

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安倍政権下で、宮内庁は大嘗祭を公的活動費(宮廷費)から捻出するとしたうえ、大嘗宮建設に19億円超を投じる考えだ

 2019年は皇位継承の年、天皇や皇室について国民が関心を寄せる年でもある。さて、新しく即位した天皇が新穀を供え五穀豊穣を祈る宗教的行事『大嘗(だいじょう)祭』の費用を皇室の公的活動費(宮廷費)から捻出するのは『政教分離』の憲法の視点から疑問とされた秋篠宮さまが、費用を天皇家の私的生活費(内廷費=うちていひ)から充てるべきとされた際に、大嘗祭を執り行う祭場についても「大嘗宮」を建立するのではなく、既存の施設を使用することを宮内庁に提案されていた。

 政教分離を定める憲法の精神や経費削減を考えられる秋篠宮さまの考えはより国民感覚に寄り添った提案だった。なぜ、この提案が受け入れられないのか。一国民として強い疑問を抱く。

 秋篠宮さまは毎年「新嘗祭」を行う際に使用する『神嘉殿』を使い大嘗祭を執り行うことを提案されていた。宮内庁の西村泰彦次長は記者団の問いに大嘗祭を既存施設で行った先例はなく「今回も大嘗宮を建設する」と答えたという。先例で片付ければそこで思考は停止する。現憲法の下で検証し、時代に即したものにしていくべきだろう。

安倍政権下で、宮内庁は大嘗祭を公的活動費(宮廷費)から捻出するとしたうえ、大嘗宮建設に19億円超を投じる考えだ。

 安倍総理が総裁を務める自民党は憲法改正時に天皇を『国家元首』と規定し、『君が代』を憲法に規定することを目指す。こうした考えが特に強い議員が安倍内閣の閣僚と党中枢の役に就いている。

 秋篠宮さまの提案が考慮されなかった背景には安倍内閣と自民党の右派議員を中心とする勢力が皇室の威厳を高める狙いもあるのではないか。そのために皇室の宗教的色彩の強い大嘗祭を公的費用で賄い、仰々しく祭事の宮を建立する必要がある。

 元号についても読売新聞の報道によると来年4月に新元号を事前に閣議決定し公表する政府のシナリオに「その場合、今の天皇陛下が新元号を定める政令に署名、公布される」ことになることから「自民党などの保守派議員が『昭和まで、新天皇が元号を決めてきた(ので、その)伝統に反する』と譲らない」姿勢をとっている、という。権威付けには伝統を変えるわけにはいかないためだ。

 しかし天皇は「国民の象徴」としての存在であり、それ以上でも、以下でもない。まさに「象徴」の存在であることを考えれば、新元号を皇位継承前に今上天皇が署名公布するのか、継承後に新しく即位した天皇が署名公布するのかは問題ではなく、いずれの天皇が署名公布するにしても「象徴天皇」が署名公布することに変わりない。元号公布に権威付けを考えないことこそ望ましい。2019年は女性宮家の創設を含め、天皇、皇室について国民が関心を持つ年になりそうだ。(編集担当:森高龍二)