根本厚労相の罷免、総理続投させる考え表明

2019年01月31日 06:12

 賃金や雇用などの実態を把握する基幹統計の毎月勤労統計調査で不正が長年行われてきたことに安倍晋三総理は29日の参院本会議で「信頼を損なう事態を招き国民にお詫びする」としたうえで「見抜けなかった責任は重く受け止めている」と陳謝した。

 一方で、罷免を求められた根本匠厚生労働大臣については、政府として雇用保険や労災保険など追加の支払いを速やかに行うとともに再発防止に全力を尽くすと強調したうえで「根本大臣にも引き続き、全力で取り組んでもらいたい」と罷免する考えのないことを明らかにした。

 しかし、根本大臣に対しては来年度予算案が閣議決定される前に不正のあったことを知りながら適切な対応をしなかったために、閣議決定をやり直す事態を招いたほか、厚労省の特別監察委員会の調査も省の官房長が職員に対するヒアリングに同席するなど、実態を語れる状況にあったのかの疑問が指摘される事態になっており、統計への信頼だけでなく、特別監察委員会の報告に対する信頼も失墜する状況を招いている。国会論戦で改めて大臣の責任が問われることになりそう。(編集担当:森高龍二)