世界最大の自動車アライアンスであるルノー・日産・三菱自の戦略的ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」が、自動車業界向けに最先端の次世代システムを手がける新興企業「パワーシェア社」に出資する
ルノー・日産自動車・三菱自動車の戦略的ベンチャー・キャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」は、中国に本社を置き、電気自動車(EV)用充電プラットフォームを手がける新興企業のパワーシェア社への投資を発表した。
アライアンス・ベンチャーズは、世界最大の自動車アライアンスであるルノー・日産・三菱自の戦略的ベンチャー・キャピタルファンド。2018年設立で、アムステルダム、シリコンバレー、パリ、横浜、北京、テルアビブに拠点を置き、オープンイノベーションを支援するため5年間に10億ドルの投資を予定している。同社は、新たなモビリティ、自動運転、コンテクテッドサービス、EV・エネルギー、エンタープライズ2.0の分野における技術およびビジネスモデルのイノベーションを目指す。
今回の投資決定は、その一環であることは言うまでもない。
パワーシェア社は、自動車業界向けに最先端の次世代システムを手がける新興企業、初期段階の技術開発、起業家などを支援する最も新しい取り組みとして、アライアンス・ベンチャーズの投資ポートフォリオに組み込まれる。
同社は、EV、充電スポット事業者、電力事業者をつなぐオンラインプラットフォームを提供し、充電プロセスの効率化を図る。同社が提供するクラウドベースシステムを通じて、充電スポット事業者はEVからの電力需要量と電力グリッドの供給能力を監視することができ、EV利用者は利用可能な充電スポットを見つけることが可能となる。
アライアンス・ベンチャーズの説明では、「パワーシェア社が持つ専門知識は、電動化分野でリーダーであり続けるというアライアンスの目的に合致する。EVおよび新たなモビリティサービスの展開を促すには堅固なインフラネットワークを確立する必要があり、パワーシェア社の技術はその実現を後押ししてくれるはずだ。さらに同社が拠点を置く中国は、我々が戦略的ハブとして重視している市場でもある」としている。
パワーシェア社の創業者兼CEOの朱卓敏(イーサン・ズー)は、今回の投資決定に際して「電気自動車の充電に特化した技術系の新興企業として、パワーシェア社は国内外の自動車メーカー、充電スポット事業者、充電スタンドメーカーとの4年間の密接な連携を通じ、この分野で豊富な経験を積んできました。アライアンス・ベンチャーズからの投資により、グローバルなeモビリティ事業の拡大、中核技術の開発、新たなビジネスモデルの探求をより広く、迅速に進めることが可能となるでしょう」と述べた。
今回の投資は、北米、欧州、中国の新興企業を含む、アライアンス・ベンチャーズが実施した10件の直接投資に続くもので、いずれもモビリティの未来に貢献することに焦点を当てている。パワーシェア社への投資に関する金額等の情報は、開示していない。(編集担当:吉田恒)