医療や社会保障の発展によって寿命が延びた今、人生100年時代などとも言われる。今のところ定年は60歳だ。その後のいわゆる老後は長くなった。長くなった老後を人々はどのように生きようとしているのか。
老後に自分の趣味を開花させようとする者も多い。仕事中心の日本社会で趣味を持つ者はネガティブに捉えられていた面もあったかも知れない。しかし情報化の進展によって趣味や学びはインバウンド対策や地方創生ソリューションなどビジネスへの応用としても広がりを見せ始めている。
教育関連サービス業の趣味なびが30~59歳の男女1204人を対象に「趣味」に関するアンケート調査を2月に実施、3月下旬にその集計結果を公表している。「理想の寿命は何歳か」という質問に対しては、「80歳」が25.8%で最も多く、ついで「85歳」15.7%となっている。全体としては100年より20年近く短いようだ。
趣味がある者とない者を比較すると全体的には大きな差は見られないが、理想寿命85歳以上を希望とした者では「趣味あり」が39.7%、「なし」が34.1%で理想寿命が高い者ほど趣味のある割合が多く、逆に65歳以下では「あり」が11.1%、「なし」が18.7%と約8%の差がつき趣味がない人ほど長生きを望まない傾向がみられる。
「65歳以上になったら一番時間を使うことは何か」という問いに対しては、「趣味」が43.1%で最も多く、「家族との時間」が30.4%、「仕事」16.4%の順となっている。男女別に見ると、「仕事」では男性が60.6%、女性が39.4%、「趣味」では男性54.9%、女性45.1%と男性の方が多く、「家族との時間」では男性39.6%、女性60.4%と女性が圧倒的に多くなっている。
「趣味はあるか」という質問に対して「はい」と答えた者の割合は男性が84.6%で女性が75.2%となっており、ほとんどの者が何らかの趣味を持っているようだ。「趣味を通して生きがいを感じていることはあるか」という問いに対しては、男性の66.4%が「ある」と回答し、女性では58.1%となっている。趣味に関しては男性の方が積極的で生きがいを感じているものが多少多いようだ。
少子高齢化の下でより多くの人の社会参加が期待されている。また情報化の進展の中、より創造的な人材が求められている。自分の趣味を活かすことができれば、人生100年時代はより自分らしく生きがいを持って生きられるチャンスの時代なのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)