日本経済団体連合会の中西宏明会長は10月からの消費税引き上げについて、3日までの記者会見で「政府には消費税率10%への引上げをしっかり行っていただきたい」と景気指標などを踏まえて引き上げるべきでないとの意見が野党や有識者らから強まっていることを踏まえて、けん制した。
中西会長は「消費税率引上げに向けて経済界として必要な対応をしっかりと行っていく」と述べ「小売現場では複雑なポイント制に対する準備が必ずしも順調に整っているとは言えない」としたうえで「半年の時間があることから準備を進めていくことに尽きる」と述べた。
日銀が今月1日発表した全国企業経済観測調査(日銀短観)では大企業・製造業での業況判断指数が「最近の景気が良い」とのDIはプラス12で、昨年12月の調査に比べ、7ポイント大幅悪化した。
中西会長も日銀短観発表前の29日、「景気は足元の海外情勢の影響を受け、減速が懸念されている」と認めたうえで「半導体材料、スマートフォン、自動車関連などが落ち込むなど明るい材料ばかりではないが、景気や日本経済全体に必ずしも大きな影響を及ぼすものではないと見ている」と述べ「IoTやAIなどを中心に先を見通した投資活動は衰えるよりもむしろ増えていると感じている」と景況感を述べた。(編集担当:森高龍二)