ホームレスの数、275市区町村で4555人を確認。8.5%減少

2019年05月08日 06:26

画・ホームレスの数、275市区町村で4555人を確認。8.5%減少。

厚労省が「ホームレスの実態に関する全国調査」の結果を公表。1月に確認されたホームレス数は4555人で前年度比422人、8.5%減少。都市公園23%、河川30%、道路19%、駅舎5%、その他施設23%。

 ホームレスの数は、東京区部や政令市のデータをみると、1990年代後半から急増し、厚労省の全国ベースの統計では2003年の2万5296人をピークに、その後は一貫して減少傾向で推移し、18年には5000人を下回り、ピーク時の5分の1以下までに減少している。

 この減少の背景としては様々な要因が考えられるが、行政や民間団体が実施してきた生活相談、就労相談、宿泊施設の提供などの自立支援施策の効果もその一因であろう。

 先月26日に厚労省が今年1月に実施した「ホームレスの実態に関する全国調査」の結果を公表した。 調査結果によれば、ホームレスが確認された自治体は全1741市町村(ただし、福島2町は調査していない)のうち275市区町村で前年と比べて25市区町村、率にすると9.1%の減少となった。

 確認されたホームレスの人数は4555人で前年と比べると422人、8.5%の減少となっている。内訳は男性が4253人で女性が171人、不明が131人となっている。

 都道府県別には、青森県、秋田県、山形県、滋賀県、奈良県、島根県の6県を除く41県でホームレスが確認されている。最も確認人員が多かったのは東京都の1126人で、次いで大阪府の1064人、神奈川県の899人と続いている。昨年と比較すると、27都府県で合計447人が減少、7道県で25人増加、13の県では同数となっている。

 東京都23区および指定都市での確認人員は合計で3530人となっており、全国のホームレスの約4分の3を占めている。昨年と比較すると全体で234人減少、率にすると6.2%の減少となっている。市区別には東京都23区が93人の減少と最も多く、次いで名古屋市が47人の減少、大阪市が21人の減少であった。

 起居別場所の状況については、「河川」が1380人と最も多く、次いで「その他の施設」1163人、「都市公園」1035人、「道路」850人、「駅舎」236人の順となっており、全ての場所で昨年に比べて減少している。起居別場所の割合については「都市公園」でわずかに減少傾向、「その他の施設」でわずかに増加傾向が見られるものの全体として大きな変化はないようだ。

 これらの場所についてはインターネット喫茶などが含まれておらず、近年ではそうした場所を転々とするホームレスが増加しているという民間団体からの報告もあり、政府の数字は実態より少ないのではないかという指摘もなされている。(編集担当:久保田雄城)