1985年の男女雇用機会均等法の制定以降、女性の社会進出への障壁は徐々に撤廃され続けてきた。99年の男女共同参画社会基本法の制定で障壁除去から女性の社会進出への積極的な支援へと加速し、さらに現在、働き方改革のなかで仕事と家庭を両立でき、より女性が活躍できる社会の構築へ向けて取り組みが行われている。
女性の社会進出、活躍への機会は加速度的に拡大したというものの、日本においては女性管理職の比率が主要先進国と比べ著しく低いなどの課題も抱えている。また、少子化社会の中で子育てしやすい社会の実現といった課題も同時に抱えている。多様性を尊重する社会の中で女性自身が考える活躍する女性像とはどのようなものなのであろうか。
人材サービス業のエン・ジャパンが自社サイトを利用する女性357名を対象に「女性活躍」をテーマにしたアンケート調査を5月下旬から6月上旬に実施、その集計結果を同月27日に公表している。
集計結果によれば「『女性活躍』とはどのような活躍のことを指すと考えるか」と尋ねた結果では、「管理職として意思決定の場に参加すること」が55%で最も多く、次いで「仕事で成果を挙げていること」が53%と仕事の上で組織と深くコミットし成果を上げることを重視しているようだ。しかし一方で「仕事と子育てを両立していること」が48%と約半数おり、仕事のみでなく子育て等の生活とのバランスも重視していることがうかがえる。
自分が仕事をしていて「どのような時に活躍していると感じるか」という問いには、「自分がした仕事を認められた・褒められたとき」が69%で約7割と最も多く、次いで「達成感を味わえたとき」45%、「成長したと感じたとき」41%などが続く。
「女性であることで仕事の機会に影響があった経験」については、半分近い46%が「影響があった」と回答しており、その影響は「悪い影響」が63%で「良い影響」が13%と女性であることだけで仕事の上で不快な経験をしている者が少なくないようだ。
日本に限らず企業組織は長年男性優位の組織であり、様々な障壁が制度上払拭されても、やはり女性は少数派で、特に意思決定に関わる分野ではその程度が大きいであろうことは容易に想像できる。日本の女性管理職の少なさの背景には日本女性の特性や職場での慣習など複雑なものがあり短期的にこれが払拭されるのは容易ではないかも知れない。しかし、日本女性の少なくない者が意思決定への高い参加意欲を持っていることは事実のようだ。(編集担当:久保田雄城)