世界的な個人情報保護の規制強化、1年内に国内マーケティング担当に影響9割

2019年08月01日 07:17

画・世界的な個人情報保護の規制強化、1年内に国内マーケティング担当に影響9割。

サイカが「企業の広告宣伝担当者200人に聞いた個人情報保護の規制強化による影響実態調査」を実施。関心を持つ層の約9割が影響を感じていると回答。今後1年内の対応を想定している者は9割。

 個人情報の流出、流用のニュースが後を絶たない。AIの時代はビッグデータの存在が前提となるが、そこには膨大な個人情報が蓄積されている。以前にも増して個人情報の取り扱いについて企業は十分な配慮を行う必要がある。

 日本では2005年に個人情報保護法が施行されたが、ビッグデータの時代をにらみ15年に改正個人情報保護法が成立し情報漏洩に罰則規定が設けられた。現在、世界的に個人情報保護規制の動きが高まっている。昨年18年に制定されたEUのGDPRがその代表であろう。また、アメリカでも消費者プライバシー権利章典の法制化の動きがある。こうした世界的な個人情報保護の規制強化の動きは、ビッグデータを扱うIT担当者やマーケティング担当者の業務に大きな影響を与える。

 ITコンサルティング業のサイカがインターネット広告担当者215名を対象に「企業の広告宣伝担当者200人に聞いた個人情報保護の規制強化による影響実態調査」を7月に実施、同月下旬にその集計結果を公表した。

 集計結果によると、世界的な個人情報保護の規制強化に関し関心の度合いを聞いたところ、「強く関心を持っている」と回答した者は58.1%と約6割となっており、さらに「少し関心を持っている」15.8%を加えると73.9%と7割を超える担当者が規制強化の動きに関心を持っているようだ。

 関心があると回答した者に自身の業務・生活への影響について聞いた結果では、「現在影響が出ている」が52.8%と既に業務への影響は半数を超えており、「今後影響が出る可能性がある」の38.4%を加えると91.2%と9割以上の者が業務上で「影響あり」と回答している。

 「今後影響が出る可能性がある」と答えた者にその時期について聞いた結果では「半年以内」が39.3%、「1年以内」が50.8%、「1年以上先」が9.9%で90.1%の者が「1年以内に影響」と想定しているようだ。

 影響が生じる業務については「オンライン識別子を含む個人データの取得」が80.7%、「ターゲティング広告等の広告の出稿」が69.0%とこの2業務に回答が集中した。

 「現在、業務に影響が出ている」と回答した者の業種を見ると「食料・飲料」76.5%、「化粧品・健康食品等」と「量販店・飲食」が75.0%、「金融・保険サービス」が70.0%と7割を超え多くなっている。(編集担当:久保田雄城)