会社面接 健康診断書の提出強要5割。個人情報収集の面接、未だ一般的

2019年06月06日 06:44

画・会社面接。健康診断書の提出強要5割。個人情報収集の面接、未だ一般的。

連合が「就職差別に関する調査」を実施。健康診断の提出を求められた49%。戸籍謄(抄)本の提出を求められたことがある19%。職業安定法で原則禁止の個人情報等の収集が一般的に行われている実態。

 日本では履歴書に写真を貼付するのは常識だ。しかし、米国の就職選考時の履歴書には写真の貼付がないそうだ。これは写真を見ればその者の人種が判明し、不合理な差別につながる危険性があるからだ。就職選考の際に職業遂行に関係しない性別、年齢、人種、出自等の個人情報を収集することは人権尊重の視点から原則禁止であるというのがグローバルスタンダードだ。グローバル企業の多くがこの基準を採用する傾向にあり、この点で日本企業は人権意識を欠いているという批判もある。

 この点に関し、連合(日本労働組合総連合会)が「就職差別に関する調査」を4月上旬にインターネット上で実施、最近3年以内に就職採用試験を受けた全国の18~29歳の男女1000名の有効サンプルを集計し、その結果を15日に公表した。

 採用選考に当たっては応募者の人権を尊重することを目的に応募者の適性や能力のみを基準として行うことが原則とされている。この為、採用選考に当たっては、高卒者の場合は「全国高等学校統一用紙」、大卒等の場合は「JIS規格の様式例に基づいた履歴書」を用いることが原則とされている。

 調査結果によれば、上記書式以外の「会社独自の履歴書を提出するように求められた」と回答した者の割合は、高卒者で32.2%、大学・大学院・専門学校・短期大学の者では58.8%と6割近くに達している。この他、「戸籍謄(抄)本の提出を求められた」が19%、「健康診断書の提出を求められた」が49%となっている。

 職業安定法では、社会的差別に関連する個人情報の収集は原則として禁止されており、戸籍謄(抄)本や合理的な理由なく健康診断書の提出を求めることは認められない。それにも関わらず健康診断書は49%と半数の企業で提出を求めているのが実態のようだ。

 この他、「性別」が91.2%、出自に関わる「本籍地や出生地」が56.4%、さらに「尊敬する人物」12.3%、「労働組合の加入経験」7.2%、「支持政党」4.0%、「宗教」3.6%など思想信条に関わる事項の記入を求められたケースも存在する。

 面接時の質問では、「家族構成」39.1%、「性別」18.9%、「婚姻状況」16.5%や「結婚の予定」11.5%などハラスメントとも取られかねないものも少なからず存在しているようだ。

グローバル化が進む中、現況の人権感覚では訴訟等の想定外のトラブルにつながる危険性がある。採用選考時の厳格な人権ガイドラインの作成とその徹底が必要だ。(編集担当:久保田雄城)