国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」に関し、『ガソリン缶を持ってお邪魔する』など展示中止を求め脅迫するFAXがあった事案について愛知県警が捜査を開始しているとの言質を警察庁刑事局捜査第一課担当者からとったことを日本共産党の本村伸子衆院議員が自身のツイッターで7日までに紹介した。
本村議員はツイッターで「警察庁刑事局捜査第一課の担当者は、以下の趣旨を述べました」とし「大村秀章愛知県知事が記者会見でも示した『ガソリン携行缶を持ってお邪魔する』との京都アニメーションの放火殺人事件を連想させるような脅迫FAXの件については、愛知県警で所要の捜査を開始している」旨を述べたとしている。
また「他にも脅迫するような電話やメールなどもあるとの報道があるが、訴えがあるものについては捜査する」旨、この担当者は語ったとしている。
あいちトリエンナーレ2019に参加しているアーティスト72組が今回の「表現の不自由展・その後」の展示中止に対し声明を発表。
声明では「私たちが参加する展覧会への政治介入が、そして脅迫さえもが『それがたとえ、ひとつの作品に対してであったとしても、ひとつのコーナーに対してであったとしても』行われることに深い憂慮を感じています。7月18日に起きた京都アニメーション放火事件を想起させるようなガソリンを使ったテロまがいの予告や脅迫と受け取れる多くの電話やメールが関係者に寄せられていた事実を私たちは知っています」とつづり「開催期間中、私たちの作品を鑑賞する人びとに危害が及ぶ可能性を、私たちは憂い、そのテロ予告と脅迫に強く抗議します」と抗議している。
また「表現の不自由展・その後の展示は継続されるべきであったと考えます。人びとに開かれた、公共の場であるはずの展覧会の展示が閉鎖されてしまうことは、それらの作品を見る機会を人びとから奪い、活発な議論を閉ざすことであり、作品を前に抱く怒りや悲しみの感情を含めて多様な受け取られ方が失われてしまうことです。一部の政治家による、展示や上映、公演への暴力的な介入、そして緊急対応としての閉鎖へと追い込んでいくような脅迫と恫喝に、私たちは強く反対し、抗議します」としている。
そのうえで「私たちは、ここに政治的圧力や脅迫から自由である芸術祭の回復と継続、安全が担保された上での自由闊達な議論の場が開かれることを求めます。私たちは連帯し、共に考え、新たな答えを導き出すことを諦めません」と決意を示した。(編集担当:森高龍二)