10月に消費税税率の引き上げが予定されている。2014年の消費税率引き上げの時もそうであったように、税率引き上げ前には駆け込み需要が発生し、引き上げ後はその反動で消費の低迷が起こる。通常、この反動による消費低迷は数か月程度で終わり、1年程度の期間で均してみればプラスマイナスゼロで長期的な影響が出ることはないとされるが、14年の増税時には予想を超えた長期の消費低迷が起こったため今回も増税後の長期低迷を心配する声は多い。
政府統計を見る限り今のところ消費は順調に持ち直してはいる。政府はこの消費税率の変更前後のショックを和らげるため万全の体制で挑むと宣言しているが、今回の増税での消費者行動はどのようなものになるか動向が注目される。
この点に関してコンサルティング業のソフトブレーン・フィールドが20~60代の自社のアンケートモニター7745名をサンプルに「消費税増税前後の日用品の買い物行動の変化に関する意識調査」を7月上旬に実施し、その集計結果を6日に公表している。
レポートによれば、「増税前に購入したい、まとめ買いしたいものはあるか」という問いに対して、「ある」と答えた者の割合は33.1%、「どちらでもない」23.7%、「ない」43.2%となっており、約3人に1人が増税前に駆け込み消費をしたいと思っているようだ。
駆け込み消費したいモノを複数回答で聞いた結果では、「日用品」が57.0%と最も多く、次いで「食料品」37.6%、「電化製品」36.3%、「化粧品」29.2%の順になっている。商品の種類は消耗品が多く、耐久財は「電化製品」などが目立つ程度で、この調査結果からは増税後の反動は長く続かないとも読める。
増税の前後で、「日用品の購入行動に変化があるか」との問いには、「変化あり」の割合が女性で60.7%、男性で50.8%となっているが、その多くが「一時的な変化」と答えており、女性で46.1%、男性で36.3%となっている。
「増税のどのくらい前から事前購入するか」という問いには、「2カ月以上前」が20.0%、「1~2カ月前」22.8%、「1カ月~2週間前」が22.6%と多く、「2カ月~2週間前」で45.2%と半数近くを占めており駆け込み消費が起きるのはこれからのようだ。駆け込み消費の主なものは日常的な消耗品であるから反動が長期化するか否かは人々の景気の見通しにかかっていると言えよう。(編集担当:久保田雄城)