憲法が保障する「表現の自由」を確保し、あいちトリエンナーレ2019(8月1日~10月14日)で中止になっている企画展「表現の不自由展、その後」の再開を求める運動が広がりを見せている。24日には愛知県民らの呼びかけで午後4時から名古屋市内の栄公園(愛知芸術文化センターそば)で集会があるほかデモ行進も予定している。
企画展再開を求める愛知県民の会は「脅迫と圧力によって作られた薄い壁の向こうに作品がある。みんなの力で壁を取り払いましょう。そして歴史の事実と表現の自由を守りましょう」と呼び掛ける。
愛知県民の会によると39団体が脅迫に抗議し、再開を求めて声明を出し、3団体が再開を求めた署名活動をしている。24日の集会は約1時間。その後、会場から久屋大通り、若宮大通まで約700メートルをデモ行進する予定。
企画展を巡っては慰安婦を象徴する少女像などの展示作品に対し、河村たかし名古屋市長が「どう考えても日本人の心を踏みにじるもの。いかん」などとして、あいちトリエンナーレ実行委員会会長の大村秀明愛知県知事に対し中止を求めた。
またテロ予告や脅迫、抗議の電話やファックスが相次ぎ、威力業務妨害の容疑で逮捕者も出た。主催者側は安全確保のため企画展を中止。しかし、中止すれば表現の自由が脅迫や公権力により抑圧されたことになり、再開が求められている。
大村知事は記者会見で「公権力をもったところこそ、表現の自由は保障されなければならない。税金でやるからこそ、憲法21条はきっちり守らなければならない」と表現の自由の保障が必要との認識を明確にしている。安全確保を図ったうえで、再開が実現するのかどうか、注目されている。(編集担当:森高龍二)