日ロ首脳会談が5日、ウラジオストクで行われた。マスコミ各社はこの会談で「北方領土問題を含む平和条約交渉に、以来志向で作業を進めることを確認し、北方4島での日ロ共同経済活動実現へ取り組むこと」で一致したと一斉に報じている。
ただ、これまで27回もの会談をする中で、ロシア側からは「北方領土はロシアの領土」とのメッセージしか見えてこない。
日ロ首脳会談が行われたこの日も、プーチン大統領は日ロ首脳会談前に、ロシアの企業が色丹(しこたん)島に建設したイワシやスケトウダラ(スケソウダラ)などの水産加工工場操業始動式典に中継映像で参加し、北方領土をロシアが実効支配していることを印象付けるパフォーマンスを行った。
先月2日には日本政府の呼びかけに応じず、メドベージェフ首相が択捉(えとろふ)島に上陸している。未来志向の姿勢とは受け取りにくい対応が続いている。
マスコミは今回の工場操業始動式典への映像中継参加やメドベージェフ首相の事案を踏まえて、安倍晋三威総理はプーチン大統領に日本の立場を伝えたと報じているが、プーチン大統領の反応についてはまったく触れていない。
今回の首脳会談では両国外相間で両国双方が納得できる解決を探るよう両首脳が指示したそうだが、会談内容に前進があったといえるのか、国会での報告、議論が待たれる。(編集担当:森高龍二)