安倍晋三総理は7日の衆院本会議で立憲民主党の枝野幸男代表がNHK問題やあいちトリエンナー2019に対する補助金交付を文化庁が不交付にしたことを踏まえて報道の自由・表現の自由に対し危惧する状況にある旨提起し、認識を問われて「安倍政権に対する連日の報道をご覧いただければ、お分かりいただけると思う」と答弁。「委縮している報道機関など存在しない」と安倍内閣への批判報道が自由に行われ、報道の自由が保障されていると主張した。
枝野代表は「昭和初期の言論・表現の自由に対する侵害状況も、ある日突然、明確な形で生じたのではない。圧力や忖度、委縮等がじわじわと拡大し、多くの良識ある国民が気づいたときには、跳ね除けることが困難な状況に追い込まれていた」と警鐘を鳴らした。
そして「報道・表現の自由が機能しない社会は、もはや民主社会とは言えない。最大与党の皆さんも、党名に掲げる『自由』と『民主』を真に大切と思うなら、この危機感を共有していただけるはずだ」とし総理の認識を尋ねた。
安倍総理は「安倍政権に対する連日の報道をご覧いただければ、お分かりいただけると思う」と主張した。
安倍総理は「報道の自由、表現の自由は、まさに民主主義を担保するものであり、当然、尊重されるべきものであることは言うまでもなく、日本国憲法に基づいて、しっかり保障されていることは『立憲』を党名に掲げる枝野議員であれば理解されているものと考えている」と返した。
ただ、2015年には自民党議員の勉強会で議員の中から「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけてほしい」などと政権に批判的なマスコミへの圧力を提起する発言が出ていたほか、国際ジャーナリスト団体が世界180か国・地域を対象にした「世界報道自由度ランキング」をみると2019年は「67位」と野田内閣時代(2012年・22位)に比べ大きく後退している。安倍内閣になった2013年は「53位」2016。2017年は「72位」まで後退。2018、2019は同位だった。(編集担当:森高龍二)