除染土入れた袋流出も流出個数は「捜索中」と

2019年10月16日 08:51

 東京電力福島第一原発事故により放射性物質に汚染された土壌の除染土を入れたフレコンバッグ(大型土のう袋)が台風19号の影響で福島県田村市、飯舘村の仮置き場から付近の川に流出していた問題が15日の参院予算委員会で取り上げられた。

 立憲民主党の福山哲郎幹事長が小泉進次郎環境大臣に質した。しかし小泉大臣は田村市の仮置き場にあったフレスコバッグ2667個のうち、いくつが流出したのかについては「捜索中」と答え、15日現在でも把握できていないことが明らかになった。

流出事案は12日夜には運搬請負の建設業者から行政側に連絡が入っていたという。福山幹事長は「何個流れているのか分からないというのはショックだ」と一刻も早い状況把握と対応を促した。

 小泉大臣は福山幹事長の問いに田村市の仮置き場からの流出については「これまでに6袋が回収済みで、さらに4袋を発見し、回収中だ。ほかに流出したものがないか、捜索中と聞いている」と答えるにとどまり、状況把握に手間取っていることがうかがえた。

 一方、小泉大臣は田村市による報告として「回収されたフレスコバッグには破損がなく、環境への影響はない、と聞いている」と述べた。

 また環境省が直轄管理している飯舘村の仮置き場についても「敷地外でフレスコバッグ1袋を発見した」と述べ「15日中に流出したフレスコバッグを回収するよう指示した。このフレスコバッグにも破損はなく、環境への影響はないと考えられる」と答えた。

 この答弁に福山幹事長は「それじゃ、ほとんど報道と一緒じゃないですか。いち早くやってもらわないと、放射性廃棄物だから、重要だ」と迅速な対応を求めた。小泉大臣は「国、県、市、町というのを取っ払って、しっかり務めていかなければとの思いで福島県、田村市と連携して積極的な協力を実施しているところだ」と答えた。

 流出したのが除染土を入れたフレスコバッグだけに流出したフレスコバッグがいくつだったのかを一刻も早く特定するともに、バッグの棄損が全くなかったのか、空間放射線量に異常がないか、万全の対策をとり、公にすることが強く求められている。(編集担当:森高龍二)