来日中のフランシスコ教皇は25日、都内での東日本大震災被災者らとの集いで「原発」に触れ「将来のエネルギー源について、勇気ある重大な決断をすることです」を提起した。「原子力の利用継続に対する懸念もある」と指摘。日本カトリック司教団は「原発廃止を求めた」とも述べた。「私たちには未来の世代に対し大きな責任があることに気づかなければならない」とも。この教皇の意見が安倍内閣や原発事業者らに届くことが望まれる。
日本カトリック司教団は「今すぐ原発の廃止を」と求めている。司教団は「東日本大震災によって引き起こされた東京電力福島第1原発事故。この悲惨な事故によって、海や大地が放射能に汚染され、多くの人々の生活が奪われてしまった。日本カトリック司教団は『神の被造物であるすべてのいのち、自然を守り、子孫により安全で安心できる環境をわたす責任がある』と説き、『尊いいのち、美しい自然を守るために原発の廃止をいますぐ決断しなければなりません』と日本に住むすべての人たちに呼び掛けている。
日本カトリック正義と平和協議会会長の勝谷太治司教は今年3月11日に「国策として推進されてきた原発は、安全性、廃棄物処理、人々の健康、平和、コスト、倫理などの面から、エネルギー源としてはもはや破綻しているのは明らか」との談話を発表している。
そして「破綻しているにもかかわらず、原発再稼働が画策され続けることの理由は、政府に核の軍事利用への目論見にあるからだとも疑われている。核兵器と核の『平和利用』は表裏一体であり、技術的に線引きできないと言われている。原発が情報隠蔽・買収・分断など、およそ民主主義とは相いれない手法で推進され、事故が起これば、声の小さい弱者を切り捨て、被害者の苦しみが無視されるのは、それが核兵器に象徴される経済力や軍事力という『力の政治』と癒着しているがゆえでしょう」と問題視している。(編集担当:森高龍二)