9月のマンション契約率を見ると首都圏では販売動向の基準となる70%を割り込んで56.8%となっている。一方で近畿圏では基準値を上回る75.7%となっている。住宅需要に関して関東と関西では必ずしも連動しないようだ。在庫状況にも違いがあるだろうがその他の地域経済の状況にも差があるのだろう。さらに消費者の選考や行動にもそれぞれ特性があると考えられる。
リビン・テクノロジーズが11月18日の「いい家の日」に合わせて自社サービスを利用した20歳以上の関東または関西に居住している男女129人を対象に「関東と関西では住宅選びは異なるのか」について10月に調査を行い、12日にその集計結果を公表した。
集計結果によれば、「住宅購入時、最も重視する点は何か」と尋ねた結果、関東では「周辺環境」が19.0%で最多で、次いで「価格」17.7%、「駅・バス停からの所要時間」16.5%、「所在地」10.1%の順となっている。一方、関西では「価格」が22.0%でトップとなっており、次いで「周辺環境」18.0%、「駅・バス停からの所要時間」16.0%、「売主の信頼度」10.0%という順だ。わずかだが関東では「地盤」5.1%、「学区」1.3%、「リノベーションの自由度」1.3%を選んだ者がいるが、関西ではゼロであった。
「2番目に重視する点」では、「価格」が関東で27.9%、関西で18.0%とともに最多で、「所在地」は関東で15.2%、関西は16.0%、「周辺環境」が関東で13.9%、関西で14.0%、「駅・バス停からの所要時間」は関東で13.9%、関西で10.0%となっている。
一方「最も妥協してよい点は何か」という質問に対しては、関東では「学区」22.8%が最多で、次いで「駅・バス停からの所要時間」、「広さ」が共に16.5%、「間取り」10.1%の順となっている。関西でも「学区」22.0%が最多だったものの2位以下は「築年数」18.0%、「間取り」、「リノベーションの自由度」が共に12.0%、「駅・バス停からの所要時間」10.0%で、「広さ」については4.0%のみであった。
「2番目に妥協してよい点」では、関東では「築年数」21.5%が最多、「リノベーションの自由度」16.5%、「学区」15.2%、「広さ」10.0%の順だが、関西では「リノベーションの自由度」20.0%が最多だ。
レポートでは「関東の方が利便性を、関西の方が住み心地を重視する傾向があることがわかった」とまとめている。(編集担当:久保田雄城)