安倍総裁へのヤジ排除の警察官7人を刑事告訴

2019年12月06日 06:54

 今年7月の参院選挙で自民総裁・安倍晋三総理が候補者応援演説中にやじを飛ばしただけで北海道警の警察官に身柄拘束され、その場から排除されたことを受け、排除された男性が北海道警の警察官7人を特別公務員暴行陵虐と職権乱用の疑いで3日、札幌地検に告訴した。

 弁護士や識者らはじめ道議会議員からも身柄拘束の「法的根拠」を説明するよう求めているが、道警は理由を「選挙の自由妨害の可能性」とし、その後「現場でのトラブル防止」と述べ、現在は「刑事告発があったので説明は控える」などと対応が転々。法的根拠がないため説明できないのが本音との指摘も多い。

 札幌市での自民総裁街頭応援演説では「総理やめろ」「増税反対」と叫んだ男女らも警察官に取り囲まれ、腕をつかまれ、その場から強制排除されている。男性は道警管理者の道を相手取り330万円の損害賠償請求訴訟も起こした。

 元道警釧路方面本部長の原田宏二氏は、毎日新聞の10月16日インタビュー記事で、報道された動画や写真からは「大勢の警察官が演説会場からヤジを飛ばした人の腕をつかみ実力で排除している。これは明らかに身柄拘束であり『逮捕』にあたる。現行犯以外は令状が必要で、今回は令状もなく、違法逮捕」と明言している。街頭演説へのやじは表現の自由範囲であり、法的根拠なく拘束、排除されることはあってはならない。今回の告訴、今後の動向が注目される。(編集担当:森高龍二)