年の瀬の週末。大掃除に追われている家庭も多いのではないだろうか。普段からキレイに片づけておけば良いとはいえ、共働きの子育て世代には至難の業。 毎日の掃除が行き届かない分、大掃除で一気にきれいに・・・とは、なかなかいかないようだ。
株式会社ダスキン〈4665〉が毎年実施している「ダスキン 大掃除に関する意識・実態調査」によると、2018年末の大掃除実施率は55.9%で、大掃除を毎年恒例の習慣と考える意識は薄れつつある傾向にあることが分かった。新年をキレイな状態で迎えたい気持ちはあっても、現実としては、なかなか難しいようだ。日々頑張らなくてもキレイが保てる術はないものだろうか。
積水ハウス株式会社〈1928〉によると、「わざわざ掃除機を出す」「出したモノをその都度片付ける」といったワンアクションが、気持ちを掃除から遠ざけてしまうというのだ。「頑張ってキレイに」という発想自体が挫折のはじまりのようで、頑張らなくても常にキレイな状態をキープするいくつかのポイントがあるという。
そのひとつは「掃除しやすい空間をつくる」ことだ。
部屋にモノや家具が多いと掃除機が使いづらくなってしまう。掃除の前に部屋を見渡してうんざりしてしまうのも、とくにゴミが散らかっているわけでもないのに片付いていないように見えてしまうのも、これが原因の場合が多い。
そこで同社では、まずは置き家具などを減らして凸凹を少なくすることを提案している。そうするすることで、視覚的にもスッキリとして見えるし、掃除機も使いやすくなる。
もう一つのポイントは「衣類の移動を少なくする」ことだ。家庭に溜まるホコリのほとんどは、衣類などの布製品から出る繊維くず。つまり、屋内での衣類の移動を極力少なくすることでホコリを減らすことができるというのだ。同社では、洗濯機と室内干しスペース、収納をひとつの空間に設ける「洗濯専用室」の有効性を提案している。ホコリを減らすだけでなく、洗濯動線も限りなくゼロに近くなるので、家事の負担軽減にもつながるだろう。
さらに大事なことは、収納スペースの見直しだ。適材適所の収納を心がけることで、モノが散らかりにくくなる。気付いたときに、気付いた人が片付けることを家族で徹底すれば、常にキレイな状態をキープできるし、掃除の前に片付ける手間を大幅に省くことができる。
ちなみに積水ハウスでは、定番の階段下収納のほか、リビングや子ども部屋などに掃除道具の収納スペースとなるクローゼットを設ける提案もしているが、近々住まいづくりを考えているような家庭では検討してみてもいいかもしれない。
また、大掃除に関する様々なアンケートで「やっかいな場所」のトップに上がることの多いのが、レンジフードや換気扇の掃除だ。洗浄前の準備、取り外し、洗浄、取り付け等々、大変さと面倒くささでは、他の箇所の比ではない。手や衣服も汚れるし、できればスルーしたい場所だ。そんなところはいっそ、思い切ってハウスクリーニングサービスを利用して見るのも手だ。費用はかかるが、サービスを利用することで、年末の慌ただしい時間に余裕も生まれるし、掃除のストレスも軽減できる。さらに専門家に掃除してもらうことで、設備機器のメンテナンスにもなるだろう。そう考えれば、決して贅沢なことではない。
空間づくりや掃除のポイントを押さえ、サービスなどもうまく利用して、家も心もキレイに新年を迎えたいものだ。(編集担当:藤原伊織)