辺野古地盤不利な数値、防衛省、検討会に示さず

2020年02月09日 10:23

 辺野古基地建設にかかる軟弱地盤データで防衛省が水深90メートルまでに見つかった「B27」地点の採取土で調べた「地盤強度」の室内試験データを省内に設けた専門家による「技術検討会」に示していなかった、と赤旗日曜版(2月9日付け)が報じた。

 データ数値は防衛省が示す「地盤強度」の36%~34%にとどまるもので「水深70~90㍍の地盤は非常に固い」としてきた防衛省の根拠が崩れるばかりか、技術検討会の議論の前提が崩れることを意味する。国会で新たな論議を呼ぶことになる。

 軟弱地盤の強度について昨年3月22日の参院予算委員会で当時の岩屋毅防衛大臣はB27の土の強度試験は「やっていない」と答弁し、「その必要もない」と参院予算委員会に資料提出していた。

 赤旗日曜版は土木工学の鎌尾彰司日大准教授のコメントを紹介。鎌田准教授は「今の設計が成り立たなくなる可能性がある」としたうえで「技術検討会にこのデータを示していないのは信じがたい。地盤強度の強い他の地点のデータだけ集めて設計を行うなど絶対にあってはならない」と警鐘を鳴らし、再度、調査したうえで詳細な室内試験データを技術検討会に示す必要があると指摘している。防衛省の詳しい説明が求められる。(編集担当:森高龍二)