2月27日、安倍首相は全国の小中学校と高校、特別支援学校に臨時休校を要請する考えを表明した。唐突な発表で有り自治体をはじめ現場からは戸惑いの声も多く聞かれる。
最近発表された複数の医学論文によれば、児童の発症例は極めて希であるとともに家庭内感染のケースが多いとされる。このことから未発症児童を介した感染の広がりを未然に防止するための措置とも想像できる。しかし、具体的なことは何も決まっておらず唐突な発表で現場が混乱するであろうことは間違いない。一斉休校で医療機関や介護施設の人的リソース不足を生んでしまったら本末転倒と言える。
2月28日、カイゴメディアが介護現場における新型コロナウイルス対策についてTwitter上で行った調査の結果を発表している。
調査結果によれば、「十分な対策をしているか」という質問に対しては、「徹底できている」と回答した介護職員の割合は11.4%、「やってはいるが、不十分に感じる」が58.7%、「全然、出来ていない」が30.0%で、実に88.7%の者が対策を不十分であると感じているようだ。
「マスクは足りているか」という質問に対しては、「足りている」は18.2%、「足りているが、無くなりそう」が48.5%、「足りていない」33.3%となっており81.8%がマスク不足に困っているようだ。
「小中高校が休校になる関係で、シフトへの影響はあるか」という質問に対しては、「シフトへの影響はない」は36.9%、「シフトへの影響が出ている」が63.1%となっており6割超で影響が出ているようだ。
自由記述の「現場からの声」を見てみると、「休校でパートさんが出られなくなった」、「居宅、訪問では衛生用品の入手困難。吸引カテーテルを拭くための消毒薬が確保できない」、「マスクやアルコールの備蓄がない」、「(マスクに関して)うちの病院、施設は今ある分で無くなる。次の納品がいつかわからない」、「マスク、アルコール綿、手指消毒液の在庫がなくなってきた。一般家庭で購入できないのと同じ状況」など既に人的、物的リソースに不足が出始めている状況が伺える。
この調査は2月26日から28日にかけて行われたもので全国一斉休校発表以前のものも含まれているが、既に人的リソースでも支障が出てきている様子がうかがえる。介護施設、医療機関の人的リソースに配慮した対応が必要だ。(編集担当:久保田雄城)