安倍晋三総理は4日、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために立憲民主党の枝野幸男代表など野党各党の党首と会談。個人の権利制限など政府や都道府県知事に強い権限が任される「緊急事態条項を適用する場合には(野党にも)事前に相談する」とした。
安倍総理は野党党首との会談後の記者会見で「最悪の事態も想定しながら、緊急事態宣言など、もう一段の法的枠組みの整備が必要と判断し、野党との党首会談を行った」と会談目的を語り「各党の党首の皆様から大変建設的な御意見も頂いた」と述べ、今回の議論を踏まえて対応していくとの考えを述べた。
安倍総理は「新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正について、野党の皆様の御協力を頂きながら、一日も早い成立を目指していきたい」と早期成立を図る考えを強調した。
立憲民主党の枝野代表は「現行法を明日にでも適用すれば、その方が迅速に対応できる」と審議に協力するが現行法のまま適用すべきとした。枝野代表は「緊急事態宣言を出さなくてもいいように押さえ込むことが政府の責任であり、安易な緊急事態宣言は避ける必要がある」としたほか「万一適用する場合、事前にその必要性についての科学的根拠や解除する要件などを示し、緊急事態宣言が継続する間は2~3週間に一度程度、国会に状況を報告し、質疑を行うといったことを確保すること」を求めた。
また、枝野代表は「党首会談を行うほど急がなければならない大変な事態という認識であれば、行政文書の管理に関するガイドラインに基づく『歴史的緊急事態』に指定し、一切の文書を全部残すようにすること」も必要と求めた。
このほか「一斉休校の関連で、自営業者やフリーランスの方々などにもしっかりと給与所得者並みに支援をし、放課後児童クラブへの抜本的な支援を行うことや経済対策で生活が成り立たない、いわゆる経済的弱者の皆さん、小規模事業者、非正規労働者、フリーランスの皆さん、一次産業を含む自営業者の皆さん、こうした皆さんに対しての支援を優先かつ強力に進めるべき」と求めた。
立憲民主党は党のHPで、これら枝野代表の要請に安倍総理は「緊急事態条項を適用する場合は事前に相談する」「公文書のガイドライン、歴史的緊急事態についても、ぜひ検討させていただきたい」「社会的弱者には寄り添う必要があるという認識の上で、注意深く目を凝らして優先的に対応したい」との回答があった、としている。(編集担当:森高龍二)