新型肺炎。風邪で病院へ「行く」4割。「著しく悪化したら」5割。感染リスクを配慮

2020年03月11日 06:29

画・新型肺炎。風邪で病院へ「行く」4割。「著しく悪化したら」5割。感染リスクを配慮。

SEC新宿駅前クリニックが「病院選びと診察についての意識調査」

 新型コロナウイルスの感染が拡大している。既に感染経路が特定できない感染者が多数出てきており、感染はさらに広がりを見せる様相だ。政府は既にイベント等の自粛や学校一斉休校などの要請を行い国民生活全体に影響が出ている状況だ。多くの人々がマスクを付け、手洗いを徹底し感染防止に努めているため深刻なマスク不足や消毒液不足が生じている。

 新型肺炎の特徴は感染しても8割以上のケースで無症状や軽症の風邪様症状のため疾患としては深刻ではないとも言われる。しかし、軽症であるが故に感染が広がりやすく、医療リソース不足から医療崩壊に繋がるリスクを持つ。このため政府は徹底した感染拡大阻止の施策を講じており、医療リソース維持の観点からも軽症患者の来院の自粛を呼びかけている。

 また、感染の有無を調べる簡易な検査体制が整っていないなどの理由も有り、安易な来院は院内感染に繋がる危険性も指摘されている。患者はどのようなタイミングで医師の診療を受けるべきか混乱している状況にあると言っても良い。

 こうした状況の中、SEC新宿駅前クリニックが2月17日、18日に成人の男女200名を対象に行った「病院選びと診察についての意識調査」の結果を2日に公表している。

 調査結果によると「新型肺炎が流行しているが、もし今、風邪に罹ったと思ったら病院に行くか」という質問に対して、「行く」と回答した者の割合は40.5%、「著しく体調が悪ければ行く」が47.0%、「行かない」3.5%、「その他(相談窓口の利用など)」が9%となっている。6割近い者が軽症のうちは病院には行かないようである。

 その理由を自由記述で見ると「コロナウイルスやインフルエンザ等の感染が怖いので。自分だけでなく、子供にも感染させたくないので」(30代:女性)、「自分が病院で他人に感染させる危険性があるから」(30代:男性)などとなっており、「感染する」、「感染させる」の両者において院内感染を心配している者が多そうだ。

 既に大手の病院では紹介状のない外来を拒否しているところも出てきている。近隣の「かかりつけ医」の存在が重要なようだ。調査を行ったクリニックの蓮池林太郎院長はかかりつけ医を選ぶポイントとして「自宅や職場から30分以内」、「病気についてわかりやすく説明してくれる」、「紹介状を書いてくれる」の3点が重要だと指摘している。(編集担当:久保田雄城)