事実裏付けなく答弁?問われる法相としての資質

2020年03月13日 06:19

 森まさこ法務大臣が「東日本大震災の際、福島県いわき市から市民が非難していない中、検察官が最初に逃げた」と参院予算委員会で答弁したことから野党が猛反発。国会審議の停滞を招いたことを受け、安倍晋三総理は12日、森法相を厳重注意。しかも、最初に逃げた事実はなく、森法相の法務大臣としての見識が問われる事態になった。

 また森法相は「身柄拘束している十数人を理由なく釈放した」とも答弁。これらを「事実」としていたが、釈放は刑事訴訟法208条に基づいた合法的なものであったことなど、この答弁も事実に基づいていなかった。

 森法相は12日「法務大臣として誠に不適切だった。真摯に反省し、発言を撤回し、深くお詫びする」と陳謝した。しかし、「官邸の門番」などと揶揄される東京高検の黒川弘務検事長の定年延長という重大案件の審議をめぐり国会答弁を二転三転させてきたうえ、事実誤認の答弁をする法相に重大案件の審議を続けていけるのか、資質を問う声は強い。(編集担当:森高龍二)