日本のITは世界から10年遅れているとも言われてきた。IT関連人材の不足も深刻で、特にマネジメントクラスを担えるIT技術者の不足が深刻だ。IT業界は学生にも人気がなく技術者を育てるのも難しい状況のようだ。政府は高度人材として外国人技術者を呼び込もうとしているが順調に進んでいるかは疑わしい。
25日、人材サービス業のヒューマンリソシアが国際機関や各国の統計からIT技術者の状況を推計した「92カ国をデータで見みるITエンジニアレポートVol.1 世界各国のIT技術者数まとめ」を公表した。
世界92カ国のIT技術者は推計2137万人で、地域別にみるとアジア・オセアニアが812万人と最も多く、次いで北米の478万人、西ヨーロッパの296万人、東ヨーロッパ183万人と続く。国別に見ると米国が478万人でトップ、次いで中国の227万人、インド212万人と続き、日本はこれに次ぐ世界第4位で109万人となっている。
全人口に占めるIT技術者の割合についてみると世界全体では0.35%となっている。国別に見るとアイスランドが2.0%でトップ、次いでスエーデンが1.92%、エストニア1.74%と続いている。この他フィンランドが1.67%で5位、ノルウエイが1.51%で8位とトップ10に北ヨーロッパ3国が入っている。米国は1.47%で9位、英国は1.41%で10位だ。日本は0.86%と1%を下回り32位となっており先進国の中では決して上位にあるとは言えない状況だ。
IT技術者の年間増加率は世界全体では3.35%となっている。国別に見るとルクセンブルグとラトビアが16.67%でトップ、ベルギーが15.69%で3位となっている。トップ10の国では2桁の大きな伸びとなっている。日本は4.81%で27位となっており、世界全体より高く、またアジア・オセアニアの4.04%より僅かに高い水準だ。この他、中国は8.59%で16位、インドが5.71%で22位と日本より高い伸び率だ。また、米国は3.22%で35位となっている。
全体としてみると世界の中で日本は決して低いレベルではないものの北米、北・西ヨーロッパと比べ遅れをとっている感は否めない。さらにIT技術者の確保に力を入れる必要があるようだ。(編集担当:久保田雄城)