ダイハツは1月に開催した「東京オートサロン2020」に同社ブースに展示した、コンセプトクロスオーバー「タフト(TAFT)」の先行予約を開始すると発表した。
軽SUV「タフト」は、ダイハツの新しい設計思想DNGA第3弾となり、アウトドアレジャーはもちろん日常使いにも活躍しそうなクロスオーバー車だ。車名は、そのコンセプト“Tough & Almighty Fun Tool” の頭文字に由来する。タフトは1974年にダイハツから登場したリッタークラスの小型本格派クロスカントリー4WD車のモデル名だった。
新しいタフト・コンセプトは1月10日に開幕した東京オートサロンで注目を集めたモデルで、ダイハツのメインブースの主役だった。「TAFTコンセプト」のSUVらしい無骨な道具感は、アウトドアはもちろん都会でも映え、オフローダーのタフネスとハイト系ワゴンのユーティリティを兼ね備えた新しい軽クロスオーバーといえそうだ。
1999年に、やはりダイハツが発売した軽自動車のネイキッドにも一脈通じる“素材感”を重視した開発コンセプトがダイレクトに伝わってくるエクステリアだ。
前席ルーフは開放感抜群のガラスルーフになっており、ダイハツだけでなく他社も含めて、現在発売されている軽自動車においてガラスルーフを展開している車種は、このタフトだけ。野性味あふれるクルマにこそ、ふさわしいアイテムといえる。
また、フロントシートが軽ハイトワゴン系で一般的なベンチシートではなく、左右が独立したセパレート式になっている。これは軽でもパーソナルな雰囲気を大切にした結果だろう。
インパネの意匠は直線基調。助手席の前にはグローブボックスとは独立した大型トレーもあり、実用性も高い。シフトレバーは軽自動車としては一般的なインパネシフトとする一方、パーキングブレーキは足踏み式ではなく電動式となっている。
加えてインパネ設計も一般的な軽自動車とは大きく異なる。ハイトワゴンは左右ウォークスルー性を考えてインパネ中央下部の空間を広く取るのが一般的だが、タフトは大きく張り出した存在感のあるセンターコンソールを設置した。これによって、前席のセパレート感や包まれ感によるスポーティでアクティブなドライバーズカーの雰囲気に仕上げた。
スタイリングは冒頭でも記した武骨さを強調している。徹底した直線基調のデザインとし、ボンネットを敢えて平面的としたことで道具感が伝わる。なお、このボンネットは見切りが良く、車両感覚のつかみやすさにもつながる美点だ。
タイヤ径は大きく、無塗装の樹脂製フェンダーもワイルド。真正面真後ろから見るとフェンダー下部が切り欠かれ、タイヤの踏面が見える。これも本格クロカンをイメージさせる。
アウトドアなどで活躍しそうなポイントである荷室は、リヤシートをホールドダウンするとフラットな床となる構造がいい。ラゲッジスペースの床面と後席の背面の間に段差がないのだ。スノーボードなどアウトドアスポーツやキャンプなど、たくさんの道具を満載して出かける際にフラットなフロアはとても便利だ。さらに荷室床面も後席背面も樹脂製で、汚れても水拭きできる。そのうえ汚れたら簡単に掃除できることで、泥や雪が付いたままでもガンガン積み込めるのは実用的だ。
詳細な諸元や価格などは未発表だが、発売は今年の6 月を予定しているという。軽自動車のクロスオーバーに楽しみな1台が加わった。(編集担当:吉田恒)