前席部分と後部キャビンの間に隔壁を設けて後部キャビンを減圧することで、搬送従事者への感染を防ぐ構造としたホンダ製ミニバンによる仕立て車
ホンダが新型コロナウイルス感染防止にむけた支援活動について発表した。ホンダでは既に、新型コロナウィルスの感染拡大影響によって、今後の部品調達見通しを考慮し、「鈴鹿製作所 No.1 完成車ライン」で生産休止を実施。
また、6月に開催を予定していた 「Enjoy Honda 2020 HSR九州（熊本県菊池郡）」と 「Enjoy Honda 2020 スポーツランドSUGO（宮城県柴田郡）」についても、慎重に検討を重ね、来場者の安全・安心を最優先に考慮し、開催中止を決定している。
今回発表した対策には、大きくふたつの施策があり、「感染者搬送車両（仕立て車）の提供」および「フェイスシールド生産」について発表した。
具体的にホンダは新型コロナウイルス感染防止にむけた支援活動として、4月13日に、東京・港区と渋谷区へ「感染者を搬送するための車両」を提供した。今後は都内を中心に、感染者の多いエリアから納車を予定しているという。
また、2020年５月末までに、医療現場でのニーズが高い「フェイスシールドの生産」を開始する。人工呼吸器においても、トヨタなどと同様に生産支援を視野に入れて、引続き検討している。
今回提供した感染者を搬送するための車両（仕立て車）は、軽症者の移動を支援するための車両提供を自治体へ実施したもの。4月13日に港区・渋谷区への納車完了、今後は東京都内など感染者の多いエリアから納車を予定する。具体的には、ホンダのミニバン、ODYSSEY（オデッセイ）やSTEP WGN（ステップワゴン）などに、搬送時の感染リスクを削減するため、運転席と後部座席に仕切りを設置。前後席間の圧力差を利用して、飛沫感染を抑制する構造に仕立てた特装車両となる。埼玉製作所(狭山工場)を皮切りに、今後国内事業所で生産予定している。
また、フェイスシールドの生産についても発表した。医療現場のニーズが高いフェイスシールドを、2020年５月末までに、ものづくりセンター栃木、鈴鹿などの国内事業所にて生産し、医療現場への無償で提供を実施する予定だという。
ホンダは今後も従業員および地域や関係の安全を最優先に、関係各所と連携し対応していくとしている。（編集担当：吉田恒）
