働き方改革の一環としてリモートワークの推進が唱えられてきた。しかし、いわゆる営業活動は外部の者と会わなければ仕事にならない分野で有り、その観点から最もリモートワークに消極的な分野であるとも言える。
新型コロナウイルス感染症の広がりとともにリモートワークを活用する者が急増したが、営業活動分野も例外ではない。現在、新型コロナとは長期的に共存して行かねばならないという見通しが出ており、そうした環境下でのリモートワークを活用した営業活動のあり方について考えて行かなければならない時であるとも言える。
コンサルティング業でクラウド型営業支援ツールを運営するマツリカが4月下旬、企業の経営者層、営業部門の管理職、営業担当者等233名を対象に「営業活動のリモートワーク調査」を実施、30日にその集計結果を公表している。
集計結果によると、所属する組織でのリモートワーク導入の状況については、「一部の業務がリモート化」が54.5%と半数を超え最も多く、次いで「全ての業務でリモート化」が33.9と続き、合わせて88.4%の者が所属する営業組織でリモートワークを利用している。
新型コロナの対策が開始されてから商談機会はどのように変化したかという問いには、「減ってきている」という回答が84.1%にも及んでいる。ここで「減ってきている」と回答した者にどのような対策を行っているか自由回答で聞いた結果では「オンライン商談」が35%で最も多くなっている。
営業活動のリモートワーク化での課題について聞いた結果では、「オンラインでの商談や社内会議での意思疎通」が44.9%と最も多くなっており、やはりオンライン商談を主要な課題と考えているようだ。 次いで「案件情報や営業活動の共有・可視化」が39.6%、「案件を進める上で必要な他部署との連携」34.8%と続きコミュニケーションや情報共有への課題意識が高くなっている。
「リモートワークで生産性は上がったか」という問いには、「どちらともいえない」が54.7%と最も高く、「上がった」、「非常に上がった」の合計は23.4%で約8割は「生産性が上がった」と感じていないようだ。
困っている点を自由記述で見ると自宅のインターネット環境などの「リモートワークを行う設備が不十分」などとなっており、生産性向上にはまず環境面の整備が必要なようである。(編集担当:久保田雄城)