働き方改革の一環としてワークライフバランスの改善が唱えられ、その具体的方策としてリモートワークの導入に取り組む企業が大企業を中心に増加してきた。制度の導入をしたものの、実際に利用する者は僅かで、2018年の総務省統計ではその年間利用率は8.5%にとどまっていた。
しかし現在、新型コロナ感染症対策としてリモートワークを利用する者が急増している。半ば強制的にリモートワークを利用させられるケースも少なくないと思われるが、実際にリモートワークを体験することでその利点や問題点が実感としてわいてきたようだ。
情報共有ツールを運営するリンクライブが4月上旬、リモートワークを導入している企業の社員201名を対象に「第1回、新型コロナウイルス感染拡大に伴うリモートワーク実態調査」を実施、21日にその集計結果を公表している。
集計結果によると、リモートワークによって「無駄と感じる会議の時間が減ったと思うか」という質問に対して、20代、30代では「非常にそう思う」と答えた者の割合は26%、「そう思う」が40%となっており、合わせて66%の者が「無駄な会議が減った」と思っているようだ。40代以上になると、「非常にそう思う」が21%、「そう思う」54%で合わせて75%と年齢が高い世代の方が「無駄な会議が減った」と感じている者が多くなっている。
「飲み会などの元々無駄と感じていた、社内・社外コミュニケーションの時間が減ったと感じるか」に対しては、20代、30代で「非常にそう思う」と「そう思う」の合計は65%、40代以上では70%とやはり高い年齢層の方で「不必要な飲み会等が減った」と実感しているようだ。
「自分のペースで仕事ができるようになったか」という質問に対しては、全世代で「非常にそう思う」20%、「そう思う」37%、合わせて57%となっており、一部に「仕事とプライベートのメリハリをつけるのが難しい」という声もあるものの、約6割がワークライフバランスをとるための時間配分ができると実感したようだ。
「新型コロナ騒動が収まった後もリモートワークを継続するか」という質問に対しては、全体で53%と半数以上が「継続したい」と答えている。なかなか普及しなかったリモートワークであるが、新型コロナ感染症という思わぬ理由で普及、定着が進みそうだ。(編集担当:久保田雄城)