新型コロナウイルス感染症対策として2月にイベント等の自粛が始まってから2カ月以上が経過する。4月に緊急事態宣言が発令されたが、それ以前の3月から自粛による需要の激減で企業の売上は大幅に減少しコロナ関連倒産も出始めている。
4月に入りコロナ関連倒産は急増し始めたが5月31日まで緊急事態宣言は延長になりコロナとの戦いは長期戦の構えとなった。これによる需要の失速によって事業者からは5月一杯は持たないとの声もあがっていたが5月に入ってコロナ関連倒産も加速度を増している模様で特に中小企業の資金繰りが心配される。
財務系ウェブサービスを提供するマネーフォワードが4月上旬、企業経営者953名、個人事業主1026名をサンプルに「新型コロナウイルス感染症の影響による経営状況に関するアンケート調査」を実施、8日にその集計結果を公表している。
企業経営者に対して売上の状況について聞いた結果では、「落ち込んだ」と答えた企業の割合は60%、「横ばい」が28%、「増えている」3%「わからない」9%となっている。「落ち込んだ」と答えた者に落ち込みの割合を聞いた結果では23%の企業が50%以上の落ち込みと答えている。一方、個人事業主では「落ち込んだ」が55%、「横ばい」30%、「増えている」1%で、やはり6割が「落ち込んだ」と回答している。落ち込みの程度を聞いた結果では50%以上の売上の落ち込みがあったと答えている事業主は38%となっており、個人事業ほど売上の落ち込みが大きいようだ。
企業に対して売上減少に対する対策を聞いたところ、「補助金・助成金の利用」が43%と最も多く、次いで「融資の利用」35%の順となっており、やはり資金繰りが最も深刻な課題のようだ。今後の運転資金の状況について聞いた結果では「資金不足が生じている」が24%、「このままでは資金不足になる」が49%で64%が資金繰りの危機を感じている。「今後売上減はいつ頃まで続くか」という見通しについては「半年程度」が31%、「1年以上」が35%と66%が長期的に資金繰りの厳しい状態が続くと見込んでいるようだ。
個人事業主でも「資金不足の状況にある」26%、「今後資金不足になる」37%となっており、売上減の状況も「半年程度」26%、「1年以上」36%と62%が長期的に資金繰りの逼迫を見込んでいる。政府による早急で十分な資金繰り支援が必要なようだ。(編集担当:久保田雄城)