週刊文春5月28日号(21日発売)に「黒川弘務(東京高検)検事長は、接待賭けマージャン常習犯」と報じられたのを受け、21日、黒川氏が官邸に辞意を伝えた、と一斉にマスコミが報じた。しかし、賭けマージャンが事実なら「懲戒免職」事案だ。
文春記事では今月1日、黒川氏が産経新聞記者宅で同僚の同社社会部記者と朝日新聞元検察担当記者の4人で賭けマージャンをしていたと報じている。1日に朝日の元検察担当記者がマージャンをしていたことは朝日新聞が20日認めた。賭けマージャンだったかどうかについては「事実関係を調査し、適切に対処する」と発表している。
文春記事では、産経新聞関係者から文春に4月下旬「今度の金曜日(5月1日)にいつもの面子で黒川氏が賭けマージャンする」との情報が提供されたとしている。
問題は新型コロナウイルスで『3密』を避けるよう要請されていた中でのマージャンをしていたことだけではない。
文春記事では、タクシー元運転手が「記者は『今日は10万円やられちゃいました』とボヤいていた。黒川さんはまだ同じことを続けていたんですか」と証言する記事を掲載している。この証言通りなら、賭けマージャンが常態化していたことが推察される。
検察官が賭博罪に抵触する行為を続けていたとなれば、当然「懲戒免職」にあたる。しかも検事総長に最も近いポストとされる東京高検の検事長を務めている人物となれば、その責任はなおさら重い。
今回、安倍晋三総理の国会答弁を事実とすれば、法務省から出されて黒川氏の定年延長を法解釈の変更まで行って閣議決定した。こうした人物を異例の定年延長までした森まさこ法務大臣、それを承諾し、閣議決定して検察庁法改正もないまま(法的根拠がない)定年延長をさせた安倍内閣の責任は免れない。国会で国民への説明責任を果たすとともに、断固たる措置が求められている。
同時に、賭けマージャンが事実で、記者が取材活動の一環だとして、負けた金額を接待や取材経費として新聞社に請求していなかったか、さらに支払っていなかったか、報道機関として、調査、公表することが必要だろう。(編集担当:森高龍二)