新型コロナウイルス感染拡大の影響下、緊急事態宣言が出され「3密」にならないようすべての国内在住者に対し要請が出ていた中、今月1日、産経新聞記者らと記者の自宅で金銭を賭けてマージャンをしていたことを認め、辞表を提出した東京高検の黒川弘務検事長に対し、森まさこ法務大臣は21日、黒川氏を懲戒処分ではなく、退職金に影響しない監督上の「訓告処分」という非常に軽い処分に付した。
賭けマージャンは「賭博罪」にあたるもので、金銭の額は明らかになっていないが、最も法を順守すべき検察庁ナンバー2にある東京高検検事長ポストの黒川氏が、賭けマージャンをしていたと認めているにもかかわらず、なぜ「懲戒免職」でなく、「訓告」なのか、処分内容には疑問の声が上がっている。
森大臣は黒川氏が「猛省している」とし提出した辞表の扱いについて、22日の閣議で辞職の承認を得る考えを示した。安倍晋三総理は記者会見で「総理として当然、責任がある。批判は真摯に受け止めたいと思っている」と語ったが、総理自身がどう責任をとるのか、いつも通り、責任を認めながら、取り方は何も示さなかった。立憲民主の蓮舫副代表は「何度聞いたでしょう、言葉だけの『責任』を」と皮肉った。「言葉だけで済む話ではない」とツイッターで発信。
他にも「黒川氏の定年延長は余人をもって代えがたいからと言い続けてきたのは安倍総理。本来なら内閣総辞職にあたる」(立憲民主・安住淳国対委員長)との声や「黒川氏の辞任で終わりになりません。検察庁法の解釈を180度変更し、違憲・違法の定年延長の閣議決定を強行した安倍政権の責任を追及します。そして事実関係の究明をやっていきます」(日本共産・志位和夫委員長)、「政権そのものの責任であり、総辞職に値する不祥事」(社民・吉田忠智幹事長)など、安倍政権の責任を追及する野党側の声が続いている。政府としての説明責任を国会の場で国民に対し果たすことが求められる。(編集担当:森高龍二)