連合の神津里季生会長は3日開かれた全世代型社会保障検討会議で最低賃金について「最低賃金の改定は社会安定のセーフティネットを促進するメッセージとなり得る」との認識を示した。
また、日本の最低賃金水準は先進諸国と比較して2割~4割程度低いと指摘。「最高額の東京でも年収200万程度。これは約2000時間働いての水準で、短時間労働や子どもの見守り負担の増している現下の1人親世帯にとって、状況はより深刻だ」とした。
また地域間格差も大きいとし「地域経済格差の一因になっている」と提起した。神津氏によると、最高額に対する最低額の割合は78%、額にして223円の開きがあるという。2003年時点では地域間格差は最低額の割合が85.5%、額にして104円だったとしており、地域間格差がより拡大してきていた。
神津氏は、こうした状況を指摘したうえで新型コロナが企業に与えた影響も見据えていかなければならないとし、ニューノーマルのなかでの各分野の雇用の見通しを冷静に見極めつつ、将来にわたって強固な雇用基盤を社会全体で確保していかなければならない。失業なき労働移動を前提とした制度の構築と、生産性の高い産業・職場の創出が不可欠」とした。(編集担当:森高龍二)