コロナ倒産、6月に入り加速。月間100件超の勢い。飲食・宿泊・アパレルなど

2020年06月25日 07:20

画・コロナ倒産、6月に入り加速。月間100件超の勢い。飲食・宿泊・アパレルなど。

東京商工リサーチの「新型コロナウイルス」関連破たん状況によると破綻件数は4月84件、5月83件

 緊急事態宣言が解除され1カ月が経過し、東京での営業自粛や都道府県間移動の自粛も全面解除となり、全国的な経済活動の再開が加速している。一方で4カ月以上続く自粛ムードの中、新型コロナ感染症対策関連で経営破綻する企業数も増加傾向となっている。行政による経済活動に関する各種規制はほぼ全面的に解除されたものの、人々の第2波への警戒心は強く消費者心理はコロナ以前へと戻る気配はない。

 東京リサーチが負債1000万円以上の新型コロナウイルス関連倒産の件数を調査し、その週日データを逐次公表しているが、6月19日(金)17時現在で全国の経営破綻件数は271件となっている。その内訳は倒産が195件、弁護士一任・準備中が76件だ。

 これまでの推移を見ると、2月は2件、自粛要請が出された3月でも23件にとどまっていたが、緊急事態宣言が発令された4月は84件に急増している。年度末は資金繰りが逼迫するが実際に影響が出るのは4月であるとも考えられるが、5月も83件と同水準で推移している。

 さらに6月は19日現在で79件に達し増加ペースがさらに加速しており月間100件超えの勢いとなっている。19日の1日で9件の破綻を確認、19日の週は月末に向けさらに加速傾向のようだ。集計外の負債1000万円未満の零細店の破綻も19日のみで4件確認され、水面下では制度融資や支援策などを活用しないまま休業状態に陥ったケースも増加しているようだ。

 業種別に見ると飲食業が42件と最多で、緊急事態宣言の発令、休業要請などによる来店客の減少が影響したとみられている。次いで宿泊業が36件、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響したものと見られる。業種をまたいでみると、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連が製造、販売の合計で34件と宿泊業の36件に迫る勢いであるほか、個人消費関連の業種での破綻が目立っている。

 都道府県別にみると、福井県で初めて破綻が確認され、和歌山県、鳥取県、高知県の3県を除く44都道府県で破綻が発生している。件数のトップは東京都で61件、内訳は倒産52件、準備中9件、次いで大阪府が24件で内訳は倒産18件、準備中6件、北海道は17件、静岡県14件、兵庫県13件と続いている。

 コロナ関連破綻は加速傾向だ。消費者心理に回復する気配はない。持続化給付金の遅れも指摘されている。追加的救済措置が急務ではないか。(編集担当:久保田雄城)