関西電力は日本経済団体連合会会長時代に政府に対して原発の再稼働促進、新増設を働き掛けてきた榊原定征・経団連名誉会長を同社の取締役会長(社外取締役)に就任させた。また森本孝代表取締役社長は取締役兼務の代表執行役社長に就いた。関電の原発依存姿勢が修正されていくのか、注視していく必要がありそう。
社外取締役としては榊原氏のほかに、小林哲也近鉄グループホールディングス取締役会長(留任)、沖原隆宗三菱UFJ銀行特別顧問(留任)のほか、新任5人(うち3人は弁護士や大学教授ら)を起用。社外取締役が8人と取締役の過半数を占める形にした。
そのうえで、榊原氏を委員長とする「指名委員会」(委員長含め4人)、小林哲也氏を委員長とする「報酬委員会」(同4人)、友野宏氏を委員長とする「監査委員会」(同6人、うち2人は社内取締役)を構成した。
関電は善管注意義務違反により会社に損害を与えたとして旧経営陣の元代表取締役会長・八木誠氏ら4人に対し連帯して19億3600万円を支払うよう、また森詳介氏には1億7000万円を支払うよう損害賠償請求を大阪地裁に起こしている。
一方、株主らは原発を巡る金品受領問題で会社に損害を与えたとして、森本代表執行役社長ら現旧経営陣22人に対し総額92億円を会社に支払うよう求める株主代表訴訟を大阪地裁に起こしている。(編集担当:森高龍二)