「ゴルフ離れ」しているのは若者だけではない

2013年02月22日 10:31

 今月15日から17日まで東京ビッグサイトで開催されていた「ジャパンゴルフフェア」。若者のゴルフ離れを食い止めようと、初心者や若者向けデザインの商品が目立った。だがすでに、お金のかかるゴルフは多くの若者にとってあまり馴染みのないスポーツとなっている。
 
 「ゴルフ離れ」が進むのは若者ばかりではない。ゴルフ市場活性化委員会 によると、1996年から2011年までの15年間で日本のゴルフ人口は約40%も減少 。シニア世代よりも59歳以下の現役世代で「ゴルフ離れ」が進む。

 1990年代に入るまでゴルフ人口は右肩上がりで増加し 、バブル期には会員権が高値で売買された。市場規模は1992年には約1兆9千億円にまで達したが、バブル崩壊後は経営難に陥るゴルフ場が続出。現在はピーク時の半分まで落ち込んでいる。

 2000年代頃からはゴールドマン・サックスの傘下であったアコーディア・ゴルフや、PGMホールディングスといった外資系ファンドが相次いで日本のゴルフ場を買収。プレー料金の値下がりが進み、従来の接待ゴルフとは別に初心者や女性を取り込むことで再生を図ってきた。実際にゴルフを楽しむ独身女性が増えているとする報道 もある。

 2006年にはそのような「おしゃれにゴルフを楽しみたい」という女性向けの雑誌『Regina』が創刊された。キャッチコピーは「ゴルフを通じてLOVEが生まれる」。「ゴルフ合コン」を最初に提唱したのもこの雑誌だ。

 しかし実際には男性と同様、女性ゴルファーの数も減少している。「ゴルフを通じてLOVEが生まれる」とのコピーに象徴的だが、多くの女性は「男性と一緒に楽しめるスポーツ」としてゴルフを捉えている。そのため現役世代の男性がゴルフをしなくなるにつれ、女性もまた遠ざかっているのだろう。石川遼や宮里藍など若い選手の活躍とは裏腹に、現役世代のゴルフ離れは加速している。日本のゴルフ人口が再び増加に転じる日は来るのだろうか。