オリンピック、「予定通り開催」が3割、大会成功への備えは「コロナ対策」7割超

2020年07月26日 08:16

画・オリンピック、「予定通り開催」が3割、大会成功への備えは「コロナ対策」7割超。

日本財団が「東京オリンピック・パラリンピック」をテーマに18歳意識調査

 みずほ総合研究所の2020年東京オリンピックの経済効果の試算によれば直接投資だけで約2兆円、インバウンド観光消費などのレガシー効果も入れると付随効果は28兆円で合計30兆円となっている。

 しかし3月24日、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、オリンピックは来年度に延期となった。これにより今年の30兆円にものぼるオリンピック経済効果は失われたことになり、仮に来年の開催も難しく中止と言うことになればオリンピック需要や付随するインバウンドなどのレガシー需要を見込んで行われていた膨大な投資が不良債権化する恐れがある。東京オリンピックの中止は何としても避けたいところだ。

「東京オリンピック・パラリンピック」をテーマに日本財団が7月の上旬、全国の17歳~19歳男女1000名を対象に18歳意識調査を実施し、21日にその集計レポートを公表している。

 レポートによれば、延期になったオリンピックの「来年度開催」について聞いたところ、「予定通り開催」と答えた者の割合は28.0%と最多になった。この他、「簡素化して開催」が18.5%、「1年延期し22年に開催」22.3%、「次回大会の24年以降に延期」11.5%、「中止」が19.7%となっている。「中止」の約2割を除いて何らかの形で来年度の開催を希望している者は約半数の46.5%となっている。若者については初めての自国での開催のため延期をしても開催して欲しい意向が強いようだ。

 簡素化した場合の内容については、「観客席の縮小、チケットの販売制限」が26.2%、「開会式・閉会式の縮小」26.0%となっている。中止をした場合の影響について聞いた結果では、「コロナ感染拡大リスクの軽減」52%、「経済波及効果の損失」47%、「アスリートのモチベーション低下」39%となっており、「経済的損失」より「感染拡大軽減」を重く見ているところが若者らしいとも言える。

 オリンピック成功への備えについて聞いた結果では、「新型コロナウイルス対策」が74.0%と断トツで多く、続く「猛暑対策」6.3%を大きく引き離している。「新型コロナウイルス対策」の具体的内容では「3密を防いだ会場運営」が68.9%で最も多く、次いで「ワクチンや治療薬の普及」46.3%、「入国の際の検査の徹底」34.1%の順となっている。

 現段階では来年度の開催も不透明だが、早期にワクチンや治療薬が開発されパンデミックが終息し、予定通り来年度開催されることを祈るしかない。(編集担当:久保田雄城)