新型コロナの感染者数が東京都はじめ大都市圏を中心に拡大を続ける中、割引価格での宿泊・旅行予約がスタートしている。この状況下での「GoToトラベル」キャンペーン事業に対し、地方の自治体からは感染拡大リスクを高めるとして懸念の声が起こっている。
しかし、赤羽一嘉国交大臣は「ウィズ・コロナの時代における『安全で安心な新しい旅のスタイル』を確立して普及・定着させることを目的とした重要なチャレンジだ」と推進の考えを記者会見で示した。
合わせて「旅行者視点での感染防止のための留意点をまとめた『新たな旅のエチケット』に上乗せする形で、感染症拡大防止策の実施を求める」とGoToトラベル利用者に具体的なルールを提示。
そのうえで「約束いただけない場合には、キャンペーンの利用を認めない」とし「事務局から給付金の返還を請求することがある」と感染防止策協力への強い姿勢を見せた。
赤羽大臣は具体的取組として(1)旅行時は毎朝、検温等の体温チェックを実施し、発熱がある場合や風邪症状がみられる場合には保健所の指導に従っていただく。スマートフォンを利用されている方には接触確認アプリの利用を極力お願いしたい。
(2)旅行中は「新しい旅のエチケット」を実施していただきたい。これは宿泊施設のみならず、外での飲食、買い物など、旅先のあらゆる場面で3密が発生する場や施設等は回避いただき、大声を出すような行為も御遠慮いただく。
(3)宿泊施設等では、チェックイン時の検温、旅行者の本人確認、浴場や飲食施設等での3密対策の徹底、食事の際の3密の回避等が『GoToトラベル』事業の参加条件になっている。
(4)若者の団体旅行、重症化しやすい高齢者の団体旅行、大人数の宴会を伴う旅行は、専門家の方々から一般に感染リスクが高いと考えられている。実施の場合には着実な感染防止対策が講じられることを前提に適切な旅行をお願いしたい。
赤羽大臣は(1)~(4)について旅行申込時に同意していただく、とし、約束できない場合にはキャンペーンの利用を認めない。また約束が履行されなければ給付金返還請求もあるとした。キャンペーン事業には7月29日現在、4202旅行業者、1万1394宿泊事業者が参加登録している(編集担当:森高龍二)