女性幹部の登用、1割未満、低水準で足踏み状態。「妊娠・出産・子育て支援の充実」が課題

2020年08月25日 06:02

画・女性幹部の登用、1割未満、低水準で足踏み状態。「妊娠・出産・子育て支援の充実」が課題。

帝国データバンクが女性登用に対する企業の意識調査。女性管理職割合は平均7.8%、前年から微増

 2016年に女性活躍推進法が施行され、現在は常用雇用労働者301人以上の事業主に対して女性活躍に関する各種取り組みが義務付けられている。19年5月に同法の改正が成立したことにより22年4月1日よりこの義務化対象事業主が常用雇用労働者301人以上から101人以上へと引き下げられることとなった。

 義務化される各種取り組みの中に行動計画の数値目標の設定があるが、これには「管理職に占める女性労働者の割合」や「各職階の労働者に占める女性労働者の割合及び役員に占める女性の割合」などが含まれている。常用雇用労働者301人以上の事業所では既に4月より義務化が施行されているが現状はどのようなものであろうか。

 17日に帝国データバンクが「TDB景気動向調査7月調査」とともに実施した「女性登用に対する企業の意識調査」の結果レポートを公表している。

 レポートによれば、女性管理職の割合は平均7.8%で前年の調査と比べると0.1ポイントの上昇とほぼ横ばいだ。政府の数値目標である「女性管理職30%以上」を達成できている企業の割合は7.5%で前年比0.4ポイント上昇とわずかに増加したものの依然として低水準にとどまっている。ちなみに、女性従業員の割合は平均25.8%で前年比0.6ポイント上昇、女性役員の割合は平均10.8%で前年比1.0ポイント上昇となっている。

 今後については、女性管理職の割合が増えると見込んでいる企業は21.7%で前年より1.9ポイント減少している。女性役員についても、その割合が増えると見込んでいる企業は6.9%で前年と比べ0.7ポイントの減少となっており、法改正で活躍推進が促されている中で実態は足踏み状態のようだ。

 「女性の活躍を促進するために重要なこと」について複数回答で聞いた結果では、「妊娠・出産・子育て支援の充実」が64.7%で最も多く、次いで「仕事と子育ての両立支援」が56.2%、「保育サービスの充実」52.7%などとなっており、課題の上位には女性における家庭負担の軽減に関する項目が並んでいる。

 また注目点としては、新型コロナウイルス感染予防対策として急速に普及が進んだ「テレワークの導入・拡充」が36.3%となっており、3割以上の企業がテレワーク促進は女性活躍推進にも重要であると認識しているようだ。女性活躍推進にはワークライフバランスの充実策がカギとなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)