女性管理職割合、上昇傾向。出産・子育て支援が重要、企業の6割

2019年09月04日 06:58

画・女性管理職割合、上昇傾向。出産・子育て支援が重要、企業の6割。~TDB調査

帝国データバンクが女性登用に対する企業の意識調査の結果を発表。女性管理職の割合は平均7.7%と前年比0.5ポイント上昇。女性の活用を進めている企業は50.0%。「出産・子育て支援」を重視60.5%。

 政府は指導的地位の女性が占める割合、いわゆる女性管理職比率を2020年までに30%とする目標を掲げている。近年、女性管理職比率は上昇傾向にあるというものの、ILOが今年3月に発表したデータによれば、18年における日本の女性管理職比率は12%で目標値からはほど遠くG7の中でも最下位だ。

 15日に帝国データバンクが2万3650社を対象に7月下旬に実施した「女性登用に対する企業の意識調査、2019年」の結果を公表している。この調査によれば、19年7月時点での女性管理職の割合は平均7.7%で前年の調査と比べ0.5ポイントの上昇となっているものの30%からはほど遠い結果だ。

 女性管理職の割合が政府目標である30%以上と回答した企業の割合は7.1%のみであるが、この割合も前年に比べ0.3ポイントの上昇と緩やかな増加をみせている。一方で女性管理職がいないと回答した企業の割合は46.7%と未だ半数近くにのぼる。

 5年前と比べ女性管理職の割合が「増加した」と回答した企業の割合は21.5%、「減少した」が4.2%、「変わらない」69.7%となっている。今後「増加する」は23.6%、「減少する」が1.8%、「変わらない」58.7%で、今後も緩やかな増加となりそうだ。

 女性の活用・登用状況については、「社内外を問わず女性の活用・登用を進めている」と回答した企業は44.4%、「社外からの活用・登用を進めている」が13.2%でこの2つを合計すると50.0%と半数の企業で活用・登用を進めているようだ。他方、「進めていない」と回答した企業は34.0%となっている。女性の活用・登用を進めた効果については、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が68.0%と突出して高くなっている。

 「今後より一層、女性の活躍を促進するために重要と考えることは何か」を複数回答で答えてもらった結果では、「妊娠・出産・子育て支援の充実」60.5%が最多で、次いで待機児童や保育士不足の解消などの「保育サービスの充実」が59.0%、育休復帰支援などの「仕事と子育ての両立支援」58.4%と女性の「家庭における負担軽減」に関する項目が上位を占めた。

 「女性の働きやすい環境を整えることは大切であるが、中小企業が整備するには収益、費用の面で困難がある」(卸売、東京都)との声もあり、行政のさらなる支援策も必要なようだ。(編集担当:久保田雄城)