次期「総理」を決めることになる自民党総裁選挙。石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長の三つ巴戦が展開されているが、派閥主導の選挙の中、優位に選挙戦を進める菅氏に対し、総理就任後、石破、岸田氏が総理に就いた場合以上に「安倍総理の踏襲者」として野党の追及が一層厳しいものになる。
菅氏は官房長官として安倍総理を7年8か月支えてきた中心人物。森友問題でも、加計学園疑惑でも、桜をみる会と前夜祭問題でも、菅氏は安倍内閣の広報マンとして対応し、安倍総理をかばってきたが、総理にかわっての説明はしてこなかった。
菅氏は民放番組(テレビ朝日・報道ステーション)で総理の説明責任や総理の国会出席について「(総理の)国会出席というのは大事なところで限定して行われるべき」などとし「内閣の方針は官房長官が責任をもって説明するので、こうしたことをしっかり進めていく」と答弁した。
しかし、国会で「モリカケ」「桜」は安倍総理本人でなければ説明できない部分も多かった。そのうえ官房長官定例記者会見で菅氏は「総理が国会で答弁された通り」「批判は当たらない」「ご指摘はあたらない」と答弁していないに等しい答弁を繰り返してきた。
同番組に出演していた石破氏が「メディアは国民を代表して聞いている。国民が聞いていることには可能な限り答えなければならない」と語ったのとは対象的だ。石破氏は「それが政治の義務だ」と断じた。
日本共産党の小池晃書記局長は安倍晋三総理が辞意表明の記者会見で「政治を私物化したつもりはない」と述べたことについて「桜を見る会に自分のお友達を大量に招待した。お友達が学校をつくろうとしたら公有地を格安で払い下げた(森友問題)、今までのルールをひっくり返して獣医学部の新設を認めた。私物化でしょ」と非難。
森友を巡っては近畿財務局職員が公文書改ざんを強いられ、その後、自殺。妻が再調査を求めているが「安倍さんも、麻生さんも、菅さんも拒否。菅さんは森友の質問に、特に総理をかばう答弁を続けた。加計の時も文科省の文書を『怪文書のようなもの』と切って捨てた。菅さんには政治の私物化の共同責任がある」と指摘し、追及姿勢を強くしている。(編集担当:森高龍二)