安保法制で抑止力、対処力向上と岸防衛相

2020年09月23日 05:41

 在日米大使館が安倍内閣時代に憲法9条解釈の変更による集団的自衛権行使を一部容認することを閣議決定したのを受け、本国に「2014年7月に歴史的決断を下し、日本の平和憲法の解釈を初めて変更。日本の軍隊は特定条件のもとで、同盟国(米国)への攻撃に対処することが認められる」と米国の戦争に役立つことを公電で伝えていたことが明らかになっているが、この解釈に基づく安保法制には憲法違反の部分があり、法改正の必要が指摘されている。

 岸信夫防衛大臣は安保法制成立から19日に5年を迎えるのを踏まえての受け止めを記者団に問われ「日米同盟はかつてないほど強固になり、防衛力あるいは抑止力、対処力も向上しています。このことは地域の平和と安定にも寄与している」と強調。

 そのうえで「法施行後、必要な教育訓練を重ねつつ、米軍等の部隊の武器等の警護、米軍に対する物品役務の提供(駆け付け警護)の任務付与、シナイ半島での多国籍部隊監視隊への司令部要員の派遣等」を行ってきたと述べた。

 具体件数については「2016年11月の南スーダン派遣施設隊第11次要員に対する『駆け付け警護』、宿営地の共同防護といった新たな任務の付与、自衛隊法95条2の規定に基づく米軍等の武器等防護について、米軍に対し2017年に2件、2018年16件、2019年に14件の警護を実施した」と述べた。

 また「日米ACSAの下で自衛隊法第100条6に基づき、米軍に対する物品役務の提供を実施している。昨年4月にシナイ半島でエジプト、イスラエル間の停戦監視等を行う『多国籍部隊監視団』いわゆるMFOに対し、国際平和協力法に基づいて『国際連携平和安全活動』として陸上自衛官2名を司令部要員に派遣している」と紹介した。

 岸大臣は、そのうえで「平和安全法制については記者会見、講演、マスコミ取材等々、様々な機会を利用して、透明性のある丁寧な説明を重ねていくことが必要と承知している。平和安全法制の運用に万全を期すとともに、丁寧な説明に努めて理解が一層深まるよう取組んでいきたい」と語った。(編集担当:森高龍二)